予知夢

何か大切なものを忘れて
いる。そして、お前は誰だ。



『跡部君』





俺は、今イライラしてる。
知らない奴が、俺の名を
呼ぶ。氷帝の奴じゃねぇ。






「誰だ、お前」

『八神露希って
言うんだ』

「何故、俺様に付きまとう」

『理由はないかな』






何だ、コイツは。







『あ、そうだ。ハイ』







手渡されたのはラッピング
されたギフトボックス。






「あ?何だよ、コレ」

『ショコラ』





ショコラだぁ?






『手作りですよ〜』







あぁ、今日バレンタイン
デーか…。





『ホワイトデー3倍返し
ですよ〜』





あ゙?何だと。






「ふざけんなよ」

『冗談ですよ〜』





何だ、コイツ。
馴れ馴れしい奴だ。






『跡部君』





気安く呼ぶな。訳がわからん
奴だ。だが、お前の顔には
微かだが見覚えがある気が
する。中々、思い出せない。








『さよなら、景吾。
約束、忘れないでね』







ハッとした。






お前は…







「待て!」







俺は、何故こんな大事な事を
忘れてたんだ。気付いて
のばした指先。しかし、
届かず掴めず泳いだ。
追いかける足は重く、輪郭は
薄れていく。俺はただ、
見送る事しか出来なかった。






俺は、思わず叫んだ。
その拍子に俺は目が覚めた。





「夢…?」




しかし、頬には一筋の
乾いた涙。辺りを見回し、
俺は1人笑う。また朝が巡り
来る。新しい1日が始まる。
そういえば、夢で何か大切な
物を見つけたような気が
するが…






「まぁ、いいか」






その時。







「坊ちゃん、お客様が
いらっしゃいますよ」

「あぁ、仕度する」






確か、幼馴染みだっけか?
正直、覚えはない。





「いらっしゃいませ」

『お久しぶりです』






誰だ?声は聞いたことが
ある。





「ようこそ露希様」


「!!」





何だって!思い出した…。
夢に出てきたのは、
俺の幼馴染みの
露希だ。


そして、俺の初恋相手だ。


「露希…」

『久しぶり、景吾』


俺は、久しぶりじゃねぇ。


で会ったのは

(君だったんだ)





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