貰われた…




『あーッ!!』






あ、失礼。
やってしまった…。
やってしまったよ〜!






「煩いぞ、八神」

『だって、蓮二!今日!』

「今日?あぁ、精市の
誕生日だな」

『わ〜、ケーキ作って
ないよ〜…』







毎年作ってたのに〜…。
ショックだ…。







「まだ、朝だ」

『う〜…』

「放課後に病院に行くだろう」

『あ〜…』

「部活返上で作れば
いいだろう」

『へっ!?』






今、この人スゴい発言したぞ。






『蓮二、アタシに死ねと
言うのか』







弦一郎が怖いんだが…。







「俺が弦一郎に言っと
いてやる」

『蓮二…、アリガトォ〜!』







よし、そうと決まれば
部活返上で作ってやる!
ゴメンね、みんな!







『よし、材料はある』






作業開始だ!






『喜んでくれるといいなぁ』







自然と笑顔になる。








───…










『後は飾り付けをして…。
出来たァ!』






どーよ、どーよ!






「出来たのか?」

「お、美味そ〜!」

『ブンちゃん!摘まみ食い
するな!』






油断も好きもない…。
さあ、幸村の所へ!







『幸村〜!』

「あ、来てくれたの?」

『今日は何の日?』

「え?何?」








忘れてる〜!







『ジャーン!』

『「誕生日おめでとう!」』

「!」






あ、驚いてる。







「え、何で…!?」

『驚いた?』

「うん」

「八神が部活返上で作ったんだぞ」

「そうなの?露希」

『うん、ゴメンね。
プレゼント』

「え?」

『用意できなかった…』







それだけが心残り…。






「大丈夫」

『え?』

「露希を貰うから」


『「!?」』







何ですって!


「いい?」

『あ…、アタシで良ければ…』

「露希じゃないと
意味ないでしょ?」

『あ、ハイ…』







何故か、アタシまで
貰われてしまった。













われた…

(さあ、ケーキ食べよう)






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