さよなら青春学園



今日で最後。
明日からはここに
来なくても良い。
否、来れない。
何故なら…





『卒業式…か』






楽しかったこと、
悲しかったこと。







『色々あったな…』







走馬灯のように流れていく。







『あー…、クソ』







卒業したくねぇわ。







『…サボるか』

「それはダメだ。八神」







後ろから聞こえた声に
ビビった。






『…手塚、とお前ら』

「「まとめたな」」





一々呼んでられっか。
案の定、卒業式に連行
されたアタシ。






『(眠い…)』

「ホラ、露希。
頑張って」

『ムリ…』






やっとの思いで卒業式が
終わった。
眠かった。







「露希先輩」







この声は…。







『何だ?リョーマ』







そう、生意気ルーキー。








「部室行きません?」

『…ヤダ』






解んないけど…。







「そう言わずに、ね!」









リョーマはアタシを
引っ張っていく。
今はどうしても行く気に
なれないのに。
理由は自分でも解らない。
何でだろう。






ガチャ。








「あ、来た来た。遅いッスよ!
露希先輩!」

『桃…。皆勢揃い?』






何故?





「最後、祝いたい
じゃないッスか」

『薫ちゃん…』







何だろう、目の奥が熱い…。






「てことで、先輩達に内緒で
準備したって訳」








何で鼻がツンとすんのさ…。


「「露希先輩!
ご卒業おめでとう
ございます!!」」

『…ッ!』







解った…。
卒業式、出たくなかった訳。
部室に…
行きたくなかった訳…。
寂しくなるのが
嫌だったんだ…。
明日から違う生活になるのが
嫌だったんだ…。
コイツらと離れるのが
嫌だったんだ…。






『…バーロォ』







つい、しゃがみこんで
しまった。







「よしよし、我慢
してたんだね」

「今だけ思いっきり泣けば
いいよん」







みんながみんな離れる訳
じゃない。
いつかまた、みんなで
集まれるように。
また、笑ってテニス出来る
ように…。













さよなら春学園

(また皆で笑えるように)






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