苦手


あ、次古典や。サボろ…。
いつも通り屋上に向かう。
あ、またいるのかもしれんな。
あの人。暇人やから。





「あ…」





おった。






「八神先輩」

『光じゃん』

「何してんスか?」

『ん〜…、サボり?』

「何で疑問やねん」






自分の事やんか。
マイペースすぎるこの人が
苦手でしゃーない。
でも、何でサボっとるのに
学年トップ取れるんスか。





「おかしいんちゃいます?」

『何が』

「こっちの話ッスわ」






嫌になってくる。
やっぱ苦手だ、この人…。







でも、なんやろ。
この人の隣はスゴく落ち着く。
八神マジック?
んな訳ないな。






『…何だよ、人の顔
ジッと見て』

「あ、否…」






ジーッと見ていたみたいだ。






『食べるか?』

「何をッスか?」

『チュッパ』






そう訪ねながらもう口に
加えている。







「好きッスね…」






煩いと言いながら笑う。
綺麗だ…。






「貰います」

『ハイ』





チュッパを差し出された。






「否、こっち」






そう言って先輩が加えてる
ヤツを奪った。






『…ませガキ』

「ガキでいいッスわ」

『さいですか』






先輩、知っとります?
俺がガキになんのは
俺が苦手な先輩の
前だけなんスよ?












素直になるのは

(あなたの前でだけ)






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