涙雨

全国大会が終った
次の日。






全国大会が終った。うちは、
準決勝敗退。笑ってた。
負けたってのに笑ってた。
ちくしょ…。




『何でだよ…』





神さんは、アイツらに
味方してくんねぇのかよ…。
人一倍、頑張る白石に…。
負けず嫌いな金太郎に…。
スピード命の謙也に…。
パワー命の師範に…。
九州二翼だった千歳に…。
一心同体の小春と一氏に…。
生意気な財前に…。





『バッカヤロ…』






アイツらを1人で泣かす
なよ。






『最後なのに…』






この面子での試合は最後
なのに…。無理してるの
バレバレなのに…。





『笑うなよ、バカ…』





アイツらはバカだ…。






『バカで不器用って…』

「「黙って聞いてりゃ
バカバカ言いおって」」

『!?』






後ろを振り向くと、白石達が
いた。





『…何で』

「何でて」

『悔しかったら泣きゃいい
じゃんか!?お前ら最後
なんだぞ!?』




何で笑うんだ…。





「負けたかて、次は財前と
金ちゃんが頑張ってくれる
やろ」

「白石の言う通りや、
八神も頑張ってくれる
やん」

『…バッカじゃねぇの』





何で笑えんだ…。
こっちは悔しいし…
寂しくて…、柄にもなく
泣きそうなのによッ!!





「バカはアカンやろ、八神」

『財前もバカだ…』

「あんなぁ、俺だって
お前と一緒や」

『ハ…?』

「我慢…してんねん…。
泣くん」





財前の声は震えてた。





「部長らが笑うとるから、
泣かんだけや」

『…ッ!』





財前の目には、たくさんの
涙…。俺の目にも涙が
溜まっている。





「でも、もう…無理や…」




俺と財前は壊れたように
泣き始めた。






『わぁ────…ッ!!』





2人で泣いてると…






「うん、悔しかったんは
俺らも一緒や」

『白い…し』

「部長…」

「おいで」





俺と財前は白石の胸に
飛び込んだ。





『白石〜…』

「部ちょ…ぉ」





あの後白石も泣いた。
俺も財前も、白石の
胸ん中で泣いた。
外を見ると雨が降っていた。
俺等を見てもらい泣きでも
するように。













空が

(俺達の上に落とした)





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テーマ「人外ファンタジー」
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