ペテン師


「おっす!八神!」

「おはよーさん」

『おはよ、2人共』



相変わらず無気力の八神。
自分でも不思議に思うくらい
惹かれてる。何でだかは
知らん。




「おはようございます、
八神さん」

『おう、おはよう。仁王





八神は唯一俺達の詐欺を
見破れる。





「何で、わかんだよィ」

『勘、だな』





その直感は恐ろしいぜよ…。






『お前も物好きだな、仁王』





何がじゃ?首を傾げると
八神はクスッと笑った。





『よく俺と話すだろ』

「言われてみればのぅ」

『大変な事になってるよ』

「何でじゃ?」

『詐欺師を騙す詐欺師
だとよ、俺が』





んな…ッ!?









次の時間、八神は
いなかった。サボり…。





「ブンちゃん、俺サボる」

「ヘーヘー、行ってこい」

八神はサボってる時、
中庭か屋上にいることが
多い。中庭にいないと
言うことは…。





「屋上か…」






俺は、屋上に向かった。
ドアを開けると…。





「…おったぜよ」

『…暇だな、お前も』

「人の事言えんじゃろ」




それもそうだなってククッと
笑う。その声も好きだ。
サラッと流れていくような。




『なぁ、仁王』

「んー…」

『俺さぁ、正直お前の事好き
じゃねぇ』






グサッ!


告る前にフラれたぜよ…。





「…そ、そうじゃったん
か?」

『ん』




明日、休むかもしれん…。





『仁王は?』

「…俺は…好きじゃ

『そうか』





聞き取った…。





『…、ククッ』

「…ん?」

『ハハハッ!
ハーッハッハッハ!』

「こ、壊れた…」





跡部みたいな笑いが…。






『嘘』

「へ?」






う、そ?






何が?






『好きじゃねぇって言ったが
アレ、嘘』

「ピヨッ!?」

『本当は好きだよ』

「ッ!?」






何じゃ、それ…。






「嘘か?」

『さぁ、それはどうかのぅ』

「自惚れるぜよ?」

『ご自由に』













を騙す

(彼女もペテン師)





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