恋時雨

僕の隣で空を見上げてる
女子。名前は露希。
テニス部マネージャー。
そして、僕の想い人。




『不二、今日も空が青い
ねぇ』

「クスッ。 そうだね」




人から見たら、付き合って
いるように見えるだろうけど
実際は付き合っていない。



「年寄り臭いよ、露希」

『煩い、リョーマ』





そして、越前の姉。
何か、複雑だよね。



「てか、露希。部長が
呼んでた」

『え、嘘。あ゙!忘れてた!
ゴメン!手塚!あ、不二!
また、後でね!』

「うん、いってらっしゃい」

「早く、行きなよ」

『解ってるよ!』




走る露希は何か新鮮
だった。それより…
何なんだろ、この複雑な
気持ち。




「不二先輩」

「ん?何?」

「いい加減、告らないん
スか?」





本当に越前は。




「その内、ね」




ませてるよね。全く、性格が
正反対の姉弟だね。





「俺は、不二先輩なら露希を
任せられると思ってるん
だから」





越前には、困ったよ。





『ハイ、部活終了時間
だよ!』





いつの間にか、戻ってきて
いた露希。お疲れ様、
と笑いながら言う君。
その笑顔が僕は好き。
それだけ露希の事が
好きなんだ。


「不二先輩、早くしないと
露希取られるよ?」


「そうだね、今度言うよ」




今は、まだ言う時じゃない。





「早くしてよね…。
こっちの身にもなってよ…」

「え?」

「こっちの話」




変な越前。





『リョーマ!帰るよ!』

「ハイハイ」

『そうそう、今日母さんが
茶碗蒸し作るって』

「へぇ…」

『あ、嬉しいんだ』

「煩いなぁ!」






他人から見たら、恋人同士
だね。




「…羨ましいよ、全く」





柄にもない事を言うのは、
それほど焦っていると言う
事。明日、朝一に言って
やろう。『好きだよ』
ってね…。













は雨のように

(陽射しがささない事は
ない)





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テーマ「人外ファンタジー」
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