信じられない
今日は水曜日。新刊発売日。
早すぎるが…。普通は何日も
かかるっていうのに。そして、
俺をはじめ周りはそわそわして
いる。
『何で、そわそわしとるんスか』
「せやって!終夜さんの新刊
やで!」
『声デカいッスよ!』
「スマン…」
白石さん、めっちゃ楽しみに
してる。スゴい、嬉しい。
「どうも〇×急便です」
「『(来た!)』」
俺のハンコを押し、包みを受け
とる。ヤベェ、ドキドキして
きた。
『…開けるで』
「…おん」
開くとそこには
『…ッ!』
淡い水色の背景に男女2人が
描かれていた。しかも、女性の
方は男っぽくて自分の前に
パソコンを置いている。一方、
男性の方は笑顔でカフェの店員の
ような格好をしている。
「綺麗やな」
『そうッスね、でもこの衣装
どっかで見たことあるんやと…』
「…コレ、そっくりッスね」
『ハ?』
財前が指差したのは、bonuleの
服。
『ホンマや…』
幸村が頼んだのか?否、一発で
似せた絵を描く奴なんかいない。
しかも、この独特の絵。どっかで
見たことが…、ッ!
『まさか…』
急いで、カバーイラストの担当を
見た。それを見た途端、俺は肩を
落とした。
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