勧誘



終夜さんが重大発表した。
書けないと言っていた恋愛モノを
書くと。結構、勇気のいる決断だ
と思う。




「俺も勇気出してみよか…」

『白石さん?』

「あ、何や?」

『珍しいんやないですか、
考え事』



そんなに顔に出していた
だろうか。



「終夜さん、相談なん
やけど」

『なんです?』

「小説書きながら、ここで働いて
みぃへん?」

『…え?』

「この間、ゼリー作ってくれた
やんか。アレ、めっちゃ
旨かってん。せやから、
終夜さんが作ったケーキを
たくさんの人に食べて欲しいな、
思たんやけど…」

『……』

「あ、嫌ならえぇねん!無理に
とは言わんから…」

『…ホンマに』

「え?」

『ホンマに旨かったスか…?』



なんだろう、すごく不安そうな
顔をしている。何故?



「否、店に有っても
おかしないで」



そう言えば、終夜さんは顔を
真っ赤にしてうつむいた。


『アレ、試作品やったんスわ…。
思い付きでガッサガサ作った
から…』



…と言うことはだぞ、もしや
アレは終夜さんのオリジナル
レシピ?




「…てか、思い付きであの
クオリティなん!?」

『え、あ、はい』



なんていう、恐ろしい子なの
だろうか。





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