わからない



やっと日曜日。今月の中で
数少ない休日だ。それにしても、
今月は驚くことばかりだった気が
する。そのおかげなんだろうか、
休日って言うだけで身体が軽い
ような気もする。さて、天気も
良いしどこかに出掛けるには
もってこいな日だ。散歩ついでに
買い物をしよう。



「さて、どこ行こか」




あてもないまま出てきてしまった
から、どこに行こうか悩んで
しまった。しばらくふらふらと
歩いていたら、映画館の前に
いた。そういや、謙也が今度新作
映画をやるって言っていたのを
思い出した。見ようか見ないか、
悩んでいたら聞き覚えのある声が
聞こえた。



『白石さん?』

「ん?終夜さんやないか」

『今日店休み何スか?』

「せやねん、やから映画でも
見よか思て」



まだ悩んでるくせに何言ってんだ。



「終夜さんは買い物
なん?」

『あ、俺も久しぶりに映画見よ
思たんスわ』

「何見るん?」

『公開し始めた医者の映画
ッスわ』



それ、謙也が言うとった奴やな。



「俺もそれ見よ思っとったんや」

『なら、一緒行きます?』


なんか、結果オーライだな。



「ほな、行こか」





初めてかもしれない、年下の女の
人と何処かに出掛けるのは。
何となく、くすぐったい
ような…。うまく説明できない
感覚に違和感を感じた。俺も、
一応彼女は作ったことはある、
学生時代に。今は、仕事一筋に
なったからそんな暇はないが。





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -