助けたい




白石さんの言葉はスゴく嬉し
かった。自分の作品を知ってる
人が読んでるって思うとどこか
恥ずかしさも込み上げてくる。
しかも、処女作から全作品
持っていると言うなんとも
言えないくすぐったさ。



『…あ、今気づいたわ。俺ん家
からbonuel近いんやな』



大学の帰り真っ直ぐここに来て、
真っ直ぐ家に帰る。それが習慣に
なっていて、全然気付かな
かった。

その時。




「ハァ!?」

『!?』




柄にもなく驚いてしまった。店の
裏から声がしたよな…。裏に
回ると金髪頭があった。




『あ、店員さん』

「んお!あ、終夜さん」

『どしたんスか?』

「あ、否実は…」




ゴニョゴニョと喋る店員さんの
声を俺は聞き取った。



『白石さん、熱出しはったん
スか!』

「せやねん…。めっちゃ、珍しい
事やねん…」

『そんな珍しい事なんスか?』

「あぁ、アイツ健康オタク
やねん。学生ん時は聖書て
呼ばれてたんやで?」




…珍しいあだ名だな。それに
しても、人一倍健康に気を使って
いる人が風邪引いたとなると、
やっぱり珍事件なんだな。





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