「お待たせしました」



ケーキが来た。見た目も綺麗だ。




「『いただきます』」




一口、ケーキを口に入れると
ホロホロと甘さに変わる。
しつこくなく、素朴でとても
美味しかった。紅茶も香りが
引き立っていてケーキと
よく合う。



『…美味い』

「零が美味いって言うの
久しぶりに聞いたわ」



うんうんとそこ、頷くな。



『美味いもの美味い言うて
何が悪いんや』

「否、いつも不味いって
言うでしょうが」




それはそうだ。
不味いものは不味い。




『言うとくがな、俺は批評家
ちゃうねんぞ』

「え〜…」

『え〜…やないわ。俺は
ただ単に小説と菓子作んのと
紅茶が好きなだけや』




あ、まだ書き終ってなかった。




「イラストも好きなくせに」

やかまし



それからも下らない話をして
過ごしていた。時計を見ると
二時間くらい居座ってた。



『帰ろか』




会計は別にしてもらい、先に
友人達が支払い、最後に俺が
払う。決まった順番だ。



「紅茶とシフォンケーキで…
540円になります」



レジの人もこれまたイケメン
だった。だが、俺は店員より…。




『あ、このクッキーも
頼んます』

「まだ食うのか!」

『喧しいわ、外おれわ』




本当に煩すぎる。レジの人も
笑っていた。俺は苦笑。








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