俺は白石さんに休みを貰い、今日
編集部に小説を渡しに来た。
普通は編集者が取りに来るの
だが、初物と言うものもあって
自分で届けたかった。
「わざわざ持ってこなくて
いいのに」
『むず痒くて待ってられへん』
「じゃ、いったん預かるね」
『あぁ』
俺は、幸村が小説に目を通すまで
近くのカフェテリアで遅めの
昼食を取る事にした。少しでも、
あの原稿から離れたくて。
『なんとか、一段落ついたな』
昼食を取りながら、次の小説の
案を出す。これが、俺のタイム
スケジュール的なもの。それに
しても、この頃はハード過ぎた。
『…やっぱ、白石さんの入れた
紅茶の方が美味いわ』
頭には相変わらず白石さんが
笑っている。末期かもな。そう
ボソッと呟いてから数十分後に
幸村からメールが来た。
『…さぁ、編集部に戻るか』
戻りたくない気もするがな。
結果
(バッサリ切られそうだな…)
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