自覚というものは恐ろしいもの
で、何とも思っていなかったこと
まで辛く感じる。だから、普段の
接客中にも無意識で白石さんの
方を見て女性客にたいして笑顔に
接する所を見てしまうのが嫌で
仕方ない。



『…当たり前の事やのに』



そして、当たり前のことなのに
不利に考えてしまう自分に嫌気が
差した。




「零」




名前を呼ばれて振り向くとそこにいたのは…





『幸村…』

「いつにも増して愛想がないね〜」

『うっさいわ』

「どう?小説の方」

『…ぼちぼち、やな』

「…オチが決まらないわけ」




なんでコイツは人が悩んでいる
ことをズバズバ言い当てるのが
上手いんだよ。




『うっさい』

「ハッピーエンドで終らせれば
いいじゃないか。初めての
恋愛モノだろ?」

『…それが出来たら苦労せぇ
へんわ』




軽々しく言うな。アホ。




「今の零の状態を書けば
いいじゃん」

『軽々しく言うてくれるよな』

「応援してるよ、心外だなぁ」




そう見えねぇんだよ。





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