序章
「白雪、林檎いらないか?」
『そうだな〜、じゃあ1つ貰う』
「はい、毎度!」
「白雪、いつ見ても綺麗な碧だな」
『これはこれで困るんだよ』
こんな珍しい髪の色の所為で迷惑事に巻き込まれる。
そう、今まさに…。
『いえ、王子の愛妾だなんて…』
冗談キツいよ。
「王子に気に入られたのです。
兎に角、貴女は3日後正式に城に迎え入れられます。
では、本日はこれで失礼、白雪どの」
……。
『口を挟む隙もなかった…』
いやいや、それより。
『まずい事になったぞ…、あのバカ王子。
でも、相手が相手だからなぁ…。
仕方ないか』
自分の道。
いわば、自分で描く物語を他人なんかに描かれたくなんかない。
『国を出よう』