理由
アングラーの件以来俺は隣国のプラリネにお世話になっている。
『こんにちは』
「あ、君が例の!」
「こら、失礼だぞ!殿下から伺っております!」
『蔵から?』
「はい、碧髪の白雪どの!」
…何て説明したんだろう。
蔵は。
「スゲー、自分碧い髪なんて初めて見ましたよ。カッコいい…」
「殿下をあだ名呼びって言うのも驚きだがな」
いつも思うけど城内は迷うな。
『蔵が何処か知ってます?』
「殿下なら自室かと。案内しますよ」
『ありがとうございます』
珍しいな。
蔵が逃げ出さないとか…。
ガサッ
「で、殿下!?」
「お、白雪」
『…やっぱり駄目か』
逃げ出さない訳ないね。
『また、逃げ出したのか。ケンヤさんと瑠璃は?』
「撒いた」
…駄目じゃん。
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