まるで、外へ焦がれて逃げた鳥が籠へと連れ戻されたような…




そんな気分だった。




「殿下、お連れしました」

「お、そうか。よし、下がれ」




…この人がルトとか言うバカ王子。




「これは目に映える。見事な碧髪」

『お褒め頂きありがとうございます。
王子、解毒剤を…』

「それはあとだ」



『な…ッ!』




なんて人だよ…。



バカじゃなかった…。



大バカだった。



「そこで友人を助ける為にそちらから私の愛妾になりたいと申し出て貰う」


『…え?』





……幻聴!?




『冗談…』

「まぁ、偶然にも嫌とは言えない代物が出来てしまったし。どうかな、ご友人の見舞いの品に」





…なんて人だ。



脅しにまでその…。



蔵ノ介を侵した毒林檎を使うのか…。



もう、腹をくくるしか道はないのか…。



『…お好きなように、お連れ…下さい…ッ』




ここで俺は籠の鳥になるのか…。












「却下ァ!!」






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