キングの言う通り


『けーいーちゃーん』

「そう呼ぶんじゃねぇ」

『ケチー』

「また、忍足か」

『…まぁね』



そう、アタシは忍足が
好き。でも、忍足には
彼女がいる。それは、
アタシも知ってる。



『…何でアタシ、報われ
ない恋なんてしたんだろ』

「知るか、バカ」

『…バカなのは解ってる
よ』



それでも、好きに
なっちゃったんだよ。
何でだろうね。



『…告ったら少しは
スッキリするかな』

「今よりはな」

『やっぱり?』

「言うつもりか」

『スッキリするなら』

「振られるだけなのにか」



跡部の言う通りだろう
ね。それでも、この
気持ちをずっと引き
ずっていくのだけは嫌だ。



『言ってくる』

「…あぁ」



数時間後、アタシは
屋上にいた。見事、
忍足に振られて。



「やっぱりここだった
か、倉田」

『あ、景ちゃん』

「帰る」

『ごめんなさい』

「どうだった」

『見事、玉砕。しかも、
「これからも友達でいて
くれや」だって。振る
ならバッサリと振って
くれればいいのに』



だけど、今思えば何で
忍足が好きだったんだろ。



『しばらく、恋はいい
かな』

「…俺なら」

『ん?』

「俺なら、お前をそんな
気持ちにはさせない」



そう言った跡部は
何故か、とてもカッコ
良く見えた。



キングのう通り

(ドキって何?)









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