誰よりも努力したことを


「…遅い」

「あ?誰がだよ、跡部。
全員いるじゃねぇか」



見た限り正レギュラーは
全員いる。誰がいない
って言うんだ。



「倉田がいねぇだろ」

「…結がいねぇ?」


そんなハズない。
結はさっきまで
俺といたんだからいない
訳ないハズだが…。



「…いねぇ」

「チッ、探すぞ」

「「おー!」」



アイツ、どこ行ったん
だよ。マジで。校舎内を
探していると、突然。



ガターンッ!



「!」



どっかの教室で何かが
倒れたような音がした。
俺は、音のした教室の
方へ行くと同時に跡部と
会った。



「そこの教室からだよ
な?」

「あぁ」

『テメェ、もう一回
言ってみろよ!』

「「!」」



この声にこの口調、
紛れもなく結だ。
何故か、キレているが。



「何で倉田がキレて
んだよ」

「俺が知るかよ」



俺と跡部はもう少し、
様子を見ることにした。



『テメェ等は宍戸を
バカに出来るっての
かよ、宍戸よりテニス
うめぇって自分で言えん
のかよ!何もしないで
レギュラー狙ってる
奴が、毎日傷だらけに
なりながら努力して
レギュラー勝ち取った
宍戸をバカにして笑える
ってのか!!』



結は俺のことで
キレてたのか。ったく、
あのバカは。



「バカだな」

「ホントだよな、自分の
事でもねぇのによ」

「信頼してるってことだろ、
倉田はお前を」

「跡部…」

「そろそろ止めねぇと
まずいな」



だな、そろそろ手を
出しかねないしな。
結が。



「おい、お前等」

『跡部』

「…宍戸」

「女相手に愚痴溢して
やられてんのか」

「結、お前は来い」



相手から結を取り
上げる。捕まってた訳
でもないが、念の為。



「文句があるなら実力で
証明しろ」



跡部が言ったことは最も
だった。俺と跡部は
結を連れて教室を
出た。



「バカ」

『うるさい』

「倉田、よく言い
返せたな。男相手に」

『努力した奴がバカに
されんのは腹立つ。
特に、宍戸のことを
バカにする奴は許さねぇ』



…何言ってくれんだ、
コイツは。俺がハズい
だろ。



『宍戸の努力を見てない
くせに文句ばっか言う
奴等に腹が立ったんだよ』




誰よりも力したことを

(アタシは知ってる)



「とりあえず、無茶
すんな」

『解ったよ』

「それと、……ありがと
な」

『おぅ』









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