君の為に全力疾走


「倉田」

『ん〜?何や、白石
やん。どないしたん?』

「今日やで?」

『何が』

「誕生日」



…おいコラ、聖書。お前
さっきから主語がねぇぞ。



『誰のやねん』

「え、言うてへんかった
か?謙也や謙也」



ハ?謙也?今日って
謙也の誕生日だった
のか。って…



『えぇーッ!?何で、
それ今言うん!』

「知らんかったん?」

『知らんかった…』



ヤバいぞ。何も用意して
ないじゃないか。
どうしよう…。あ、
そうだ。



『白石、次の時間から
ウチサボるわ』

「ハ!?」

『ウチが電話したら
何人か手伝いよこして
や。ほな』

「倉田!」



いつぶりだろう。人の
為に全力疾走する
なんて。久しぶりすぎて
いつだったかすら覚えて
ない。



『さて、ケーキを作る
材料を買わな』



謙也も言っておいて
くれればよかったんだ。
何で言わないんだ、
ヘタれのくせして。



『アホ』



よし、ちゃっちゃと準備
しないといけないな。



『よし、戻ろか』



ウチは急いで戻って
オサムちゃんの許可を
もらい、家庭科室を占拠
した。準備して驚かせて
やろう。



『よっしゃ、出来た』



数時間の格闘の末。
パーティーの準備完了。



『よし、白石に電話』



謙也、驚くだろうか。




君の為に全力

(ハッピーバースデー!!)









人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -