毒の華



あの子は見た目は良い奴
なのに、可愛いのに…。



『白石、邪魔や』



中身は毒をある奴
だった。いわゆる、財前
タイプだ。そのせいで
俺と謙也は格好の的に
なっている。



「倉田、美人やのにな」

「もったいないわぁ、
結ちゃん」

『一氏、うっさい。小春
ちゃんやって可愛ぇやん』

「結ちゃん、おおきに」



小春とユウジは気に
入ってるようだ。だが
しかし



「倉田、もうちょい
俺等に優しゅうして
くれてもえぇやんな」

「言うな、謙也。悲し
なる」

「結ちゃんの
口調は言葉を選ぶのが
下手やからよ」



それは、俺も解って
いる。解っているのだが。



「結姉ちゃーん!」



金ちゃんが勢い良く
倉田に飛び付いた。
うわ、ヤバいと俺は
何となく思った。



『金ちゃん、痛いんや
けど。どしたん?』

「「!」」



笑った。倉田が
笑った!?



「…笑えるやん」

『何やねん、揃いも
揃ってアホ面下げて』

「倉田先輩、笑顔
可愛ぇッスね」

『おおきに』



何だろう。そうだ、
こういうのを確か



「「ツンデレ」」

『ハ?』

「否、こっちの話」



そうか、そうだったのか。



鮮やかな色の花程鋭い
毒を隠してる。でも、
それは愛情の裏返し
だったりするのだ。




の華

(終りまであと少し…)









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