何処かに置いてきた
羞恥心


今日は待ちに待った
文化祭。それは良いん
だが…。



『ねぇ、財前』

「何スか、倉田先輩」

『無表情でその格好は
どうかと思うよ』



ねぇ、人の目の前にさ。
無表情のメイドがいて
ごらんよ。怖いよ、
地味に。



『ほら、白石みたい
にさ。可愛くなりなよ』

「…アレをしろ言うん
スか、俺に」

『否、アイツは異常に
完璧すぎるだけだ。
自分が出来る範囲でよ、
流石に』

「……」

『あ、アタシ一回戻る
から』



財前に女子みたいに振る
舞えって時点でダメ
だったか。



────…



「結、こっち落ち
着いたからテニス部見て
きてえぇよ」

『ありがとう』



どうなってるかな、
閑古鳥は鳴いていないで
欲しいな…。



『…って、んん!?』



何だこの満員御礼!!



「お、倉田」

『何なんだよ、これ…。
謙也、理由を10字で
述べよ』

「トップ2が頑張ってん」


…コイツ、ぴったり
10字で言いやがった。
そんな事より、トップ2?



「…アンタの為や無いん
やからッ!」



何だ!あの子!スキル
たけェんだけど!!
つか、あんな子いたっけ?



「あ、倉田先パーイ!」

『おっと!』



何故か、走り寄ってきた
美少女…、否美少年を
抱き止めるハメになって
しまったアタシ。つか、
君知り合いだっけ?



「先輩、これでえぇ
でしょ?」

『先輩って言われても、
君は誰かな?』

「これ、解りません?」



美少年が見せたのは五輪
ピアス。……ん?五輪
ピアス?まさか…ッ!



『アンタ、財前!?』

「かわえぇでしょ」

『否、可愛いよ。可愛い
けどさ…、何か問題多く
ない?』



色々とね、色々と。
特に、女の子にしか
見えないって件。




何処かに置いてきた
恥心

(全部置いたら危ない
から)









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