P.S.好きです



初めてかもしれない。
ここまでハマってしまう
のは。



「白石、飽きひんのか」

「謙也うっさい」



この聖書と呼ばれる
俺でも人を好きになる
んだ。好きな奴を見て
いて何が悪い。



「倉田を好きになるん
やな」

「文句あるんか」

「いや、あらへんけど。
もうちょい派手なん
好きになるんやと思う
てた」

「喧しい」



眼鏡をかける彼女。
倉田結は見た目
から清楚で大人しい。
だけど、眼鏡を外してる
彼女は何事にも積極的に
なるらしい。そこに俺は
惹かれた。所謂、
ギャップ萌えってヤツだ。



『白石くん、ちょっと
手伝ってくれへんかな』

「あぁ、えぇで」



噂をすればだ。倉田と
俺は地味に話す。彼女
自身植物が好きらしく
話しやすかった。



「倉田はいつも本の
整理1人でやっとるんか」

『せやねぇ、誰もせぇ
へんからあるべき場所の
所に本があらへんのよ』

「えらいなぁ」

『本が好きやし、それに
白石くんが手伝うて
くれるから大変やって
思わんから』



こういう所がズルいと
思う。これが、いつもの
生活のリズム。ただし、
今日は違った。



───…




「部長、携帯鳴っとり
ましたよ」

「ホンマか、ちょお
抜けるわ。財前、
おおきに」

「お礼はぜんざいでえぇ
ッスよ」

「考えとくわ」



誰だろうか。部活の時に
メールか電話を寄越す
奴は。



「倉田や」



珍しいこともあるもん
だ。



────
今日も手伝うてくれて
おおきに。

また、頼むかもしれへん
けどよろしゅう。




この下にある追記に俺は
目を見開いた。




P.S.きです

(はよ、返信せな!)




アトガキ
書いてて楽しかった
(*´∇`*)
企画「あの子は似合う
に提出しました。









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