青天の霹靂


オサムちゃんの
「水まきすんで!!」の
一言で動くのが四天宝寺
男子テニス部。それは、
解っていたハズ。
しかし、アタシはこの
学校は予想の斜め上…、
否180度回転した思考を
持つ学校だということを
すっかり忘れていた。



「『…だからって何故
水鉄砲!?』」



水鉄砲って言う連絡は
なかったよね!?



「まぁ、細かい所は
気にすんなや」

『気にするわ!!』



もう嫌だ、この学校…。



「やるでー!!」

「「おぉーッ!!」」



オサムちゃん…、
馴染んでどうすんのよ…。



「倉田!!」

『ハ…!?』



バッシャー



…まさかの顔面?



『………』

「結ちゃーん…」



…このヤロウ。
アタシは、近くの水道に
行きホースを取り付けた。



『…ぶっかけやがった
のは誰だ、こら』

「キャラ変わっとる
でー、倉田」

『白石か…?』

「ちゃうわ、謙也や謙也」

「おまッ!!」



ほォ〜う…。



…覚悟しろ

「まっ!ちょ、待てッ!」



アタシは問答無用で
蛇口の栓を全開にした。



「ぶッ!!」



まぁ、水は謙也に
クリティカルヒット。
ざまみろ。



「倉田先輩」

『ん?どうした、財前』

「屈んでください」

『?』



素直に屈むと肩に何かを
かけられた。



『これ…』

「透けますよ、下」



それでか。



『ありがとう、財前』

「いえ」



そう言って財前は
ニコッと笑った。
アタシはつい目を
見開いた。



「先輩のぶちギレた顔、
初めて見たッスわ。
こう言うんを何て言うん
やったっけ…」

『青天の霹靂?』

「そう、それッスわ」



いやいや、財前くん。
普段全くと言っていい程
笑わない君が笑った
ことの方がアタシに
とっては大事件だよ。




天の霹靂は

(君の笑顔)



アトガキ
アタシが財前の笑った
顔が見たかったと言う
だけで書いたら出来た
産物。









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