たったひとつの願いごと


『ひーくん!ひーくん!』

「ん?どないしたん?」



トテトテという効果音が
付きそうな走りで、俺の
所に走ってくるのは
兄貴の娘。つまり、俺の
姪。



『ひーくんは、1つだけ
お願いが叶うとしたら
何を願うん?』



小さい子にしては深い
考えを持ってるな、と
俺はつい感心して
しまった。



「いきなりどないしてん」

『ぱぱが言っとった』



兄貴か。それにしても、
意外に難しい質問だな。



『くーちゃんは、部員
全員が元気に過ごせれば
えぇ、って』



…流石、部長。絶対、
言ってやらないが。



『ひーくんは?』

「俺は、お前が元気に
大きくなってくれれば
えぇよ」

『ホンマに!?』

「ホンマに」



大きな瞳をキラキラと
輝かせて、俺を見る姪。
可愛いと思う、マジで。



『ひーくん、だっこ』

「ん、えぇで」



そう言って、俺は小さな
姪の体を抱き上げ、俺の
膝の上に座らせた。
これが姪の定位置。
ニコニコ笑う姪は凄く
可愛い。



「あ、そうや。お前の
願い事って何なん?」

『アタシの願いごとは
ねー、


ひーくんのお嫁さんに
なること!』

「!」



驚いてしまったが、それ
以上に微笑ましいと思う
気持ちの方が強かった。
俺は、頬が緩むのを
必死に押さえていた。
可愛い願いごとをする
姪の顔は可愛くて
愛しいと思った。




たったひとつの
いごと

(それは可愛らしかった)



「光!娘はやらんで!」

『ぱぱ!?』

「本気にすんなや、
兄貴…」



アトガキ
姪っ子を可愛がる財前。
見てみたい。企画サイト
シュガースイーツ』に
提出させていただき
ました。









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