夜の静寂に咲く桜


……。失敗したぜよ…。



「眠れん…」



昼寝しすぎたナリ…。
どうも、目が冴える…。



「…外の空気でも吸うか」


真夜中、俺は外へ出た。
春先だとはいえまだ少し
肌寒い。行く所なんて
考えていないから
気ままにその辺を
歩こうと思った。



「新鮮なものじゃなぁ。
真夜中の町を歩くのも」



意外に清々しかった。



「お、桜の花びら」


ふと見ると、見事な
までの桜が咲いていた。



「ついでじゃ、夜桜でも
見てくかのぅ」



その時、俺は気づいた。
桜の木の下に誰かいる
ことに。



「誰じゃ」



木の下にいた奴は
ゆっくりこっちを見た。



『君も夜桜を見に
来たの?』

「否、俺はたまたま
じゃ。それよりお前さん
何時からここに?」

『さっきだよ』

「女子が一人でこんな
時間にほっつき歩くん
じゃなか」



そういうとふふッと
笑った。



『優しいんだね』

「ハ?」

『人の心配が出来る
なんてさ』



不思議な奴。それが
第一印象じゃ。



「お前さん名前は?」

『そういう時は自分から
名乗るものだよ?』

「そりゃ、失礼。仁王、
仁王雅治じゃ」

『あたしは、倉田結』



しばらく俺は倉田と
桜を見ていた。その
時間が何故かとても
気持ち良かった。




の静寂の中

(君と花見を)





†アトガキ†
花見の時期なので書いた
もの。夜桜なのは俺が夜
眠れなかったからです。
そこで桜が咲いてればと
言う私情で…。









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