雨の日の出来事


急に降りだした雨。
もちろん、傘なんて
モノはない。



「天気予報なんてモンを
信用しておらんかった
のが仇になったナリ…」



ブンちゃんに迎えに来て
って電話したら、
断られた。もちろん、
赤也もじゃ。ハクジョー
者共。



「どうするかのぅ…」

『仁王君?』



呼ばれた方を見ると
そこにいたのは女子。
…誰じゃ?



「…誰じゃったっけ?」

『……。同じクラスの
倉田結です』



あー、おったおった。
後ろの席に。



「倉田、ちょうど
良かったナリ。入れて
くれ」

『……都合のいい人
ですね』



さっき知り合ったばかり
じゃからの。



『ハイ、貸してあげる』



へ…。



『何となく濡れて帰り
たい気分だから、じゃ』

「ちょ…ッ!倉田!」

『ウチ近いからそれ
使って。じゃまた
明日ね、仁王君』



そう言って、スタスタ
歩いて行ってしまった。
何でじゃろ…。歩くでも
なく走るでもない微妙な
速さで行く彼女。雨に
濡れた彼女の小さな
背中がとてもかっこよく
見えた。



「…ヤバい」



惚れてしまった。




に濡れた背中

(それに惹かれたのは俺)




†アトガキ†
アハ、雨に濡れて帰る
男の子がかっこよく
見えたので…、って
言うのは口実で。実は、
自分が雨に濡れて帰って
たら男に間違われたって
言うだけなんスけど。
ただ口調が男みたいな
だけッスわ!









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テーマ「人外ファンタジー」
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