そよ風にのって


「あ〜ぁ、また幸村
部長に怒られた。憂鬱
だよなぁ…」



理由はただ1つ。
追試だ。英語の。
何故か、アレだけは
赤点を取ってしまう。



「副部長がいなかった
だけ良かったかな…」



その時、風にのって
何かが聞こえてきた。
楽器の音?



「フルート…?」



柔らかくて透明で透き
通った音色だ。綺麗な
音が聞こえる。



「上かな?」



上は確か音楽室だった
ハズ。窓を見ると、
1人の女子生徒がいた。



「あれ…、倉田だ」



特に、気にもして
いなかった。よく、
騒がれてはいたがどんな
奴とかそこまでは気に
していなかった。それ
なのに、今日一気に引き
込まれた。次の日も
次の日も倉田の奏でる
音色に耳を傾けた。



「今日はトランペットだ」


その時。



『切原くーん』



え…。誰か呼んだ?



『上!上!』

「上…? !」

『何時も聞きに来て
くれてたよね?』

「あ、いや…。綺麗だな
って…」

『ありがとう!』




風にのった音色の先に

(笑顔の君がいた)





†アトガキ†
これは友達のことを
考えていた時に浮かんだ
もの。前に吹奏楽やって
いたということが頭に
浮かびまして…。









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テーマ「人外ファンタジー」
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