不真面目なお隣くん


授業を受けている時、
大半の生徒達は夢の
中だ。アタシの隣も
その1人。さっきから
机に突っ伏している。
まぁ、顔は見えないが
寝ているんだろう。少し
横を向くと銀色の髪が
目に入る。



『…綺麗だな』



サラサラ風に揺れて。
羨ましいと思った。
無意識に手が動く。
ノートの余白に仁王君の
絵を描いていた。



『…描きやすい』



寝てるからあまり
動かない。だからスゴく
描きやすい。そう
いえば、仁王くんて
いつも寝たりサボったり
してるのに、数学だけは
真面目に出てるよね。



『…不思議』



しかも、成績も全て悪く
ない。平均点以上を常に
キープだ。



『…ズルい』



その時、机に髪が飛んで
きた。開くと



"何描いとんの?"



この口調は仁王くんだ。



"絵だよ"



そう書いて仁王くんの
机に置いた。数分後に
また手紙が回ってきた。



"何の絵?"



…そうきたか。正直に
言った方がいいかな。



"仁王くんだよ"



そう書いてまた机に
置く。手紙を開いた
瞬間、仁王くんは
こっちを見た。



「…ホントに?」

『ホントに』

「マジで?」

『マジです』



そういうと仁王くんは
ニコッと笑った。
丸井くんや他の女の子に
見せるニヒルな笑みでは
なく。



「描けたら見せて
くれん?」

『いいよ。仁王くんが
ちゃんとノート取ったら
ね』



そういうと仁王くんは
急いでノートを取り
始めた。真っ白だった
ノートは文字で埋め
られていく。



「取ったぜよ」

『おー、スゴーイ』



残り10分だったのに。
ホント、あの短時間で
よく写せたものだ。



「見せて」

『はい』



約束だからね。



「おぉ、似とる…」

『仮にも美術部なんで』



やる時にしか真面目に
やらない仁王くん。
でも、不真面目な方が
仁王くんらしいよ。






不真面目なおくん

(でも、たまには
真面目にね)









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