仕返し


これの続き



今はあまり見なく
なった。アイツが荒れて
いる所を。前は、常に
血塗れ、包帯を腕、足と
巻いていた。



「倉田、笑えるように
なったな」

「そうだね、柳。赤也の
おかげだよ」



そう、この前赤也は
倉田に告白紛いの
事をした。倉田自身も
苦笑していたのを覚えて
いる。



『赤也、手合わせ
しようか』

「いいんスか!」

『柳、ラケット貸して
くれないか?』

「あぁ、構わない。
これでいいか」

『ありがとう』



今では、テニス部に入り
浸っている。まぁ、その
方が安全だし、俺達も
安心だ。だが、ミーハー
の女子群が倉田の
事をよく思っていないと
いうのを噂に聞いた。
そして、事態は起こった。



「大丈夫だよ」

「柳先輩、心配しすぎ
ッスよ」

「…なら、いいんだがな」



嫌な予感がする。その
時、仁王から電話が
かかってきた。



「もしもし」

「「柳か!俺じゃ!」」

「お前が仁王だという
のは解っている。
どうした、お前が
そこまで慌てるとは」

「「倉田が!!」」

「!倉田がどうした!」



仁王からの電話で、
倉田が血塗れで屋上に
倒れていたらしい。俺と
幸村、赤也は焦った。
俺達は急いで仁王から
聞いた病院へと向かった。



「倉田ッ!」

「倉田さんッ!」

「来たか…」

『…お前達か』

「大丈夫か」

『何とかね、生きてるよ』



倉田はそんな風に
言っているが、顔は
苦痛の表情だ。所々
見える切り傷は痛々し
かった。



「誰にやられた」

『誰にもやられてない
よ、入り口の上から
落ち…』

「落ちただけで手足に
切り傷が出来るか、
背中に切り傷が出来る
か!」



倉田も幸村も赤也も
仁王も驚いていた。
あまり、感情的に
ならない俺が声を荒げた
からだろう。



『…スマナイ。柳なら
今回も見逃してくれると
思ったんだよ』

「今回ばかりは無理な
話だ」

「それより、誰に
やられたんスか」

『…それは』

「赤也と幸村と柳の熱烈
ファンという名の
ミーハー共じゃよ」



やはりな。怪我人が
倉田以外出ない訳だ。



「……許さねぇ」

「赤也、落ち着きな。
俺と柳と仁王が手っ取り
早くやる。赤也は
倉田の傍にいて
やって」

「ッス」

『幸村…?』

「明日、学校来れるん
だろ?見てなよ、俺と
柳と仁王の復讐法」



次の日



「はよッス!」

『おはよう』

「よし、赤也見とくん
だよ」

「うぃッス」



その時。



「昨日、俺達テニス部の
仲間が1人、ミーハーの
度を通り越した狂った
女子生徒達によって傷
つけられた」

「今は大事無いが下手
したら死んでいた。
そいつにしたように
俺達にもしてみろ」

「次、こんな真似をした
日にゃそいつにやった
のと同じようにお前さん
等に仕返ししちゃる。
覚悟しときんしゃい」

「……怖」

『……やりすぎだぞ、
お前達』



これくらいやって
当然だ。後日、倉田の
元に結構な人数の女子
生徒達が土下座をしに
来た。







(人を呪わば穴2つ、
だぞ)









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