オレンジの実を君に


※リョーガ、ヒロイン
成人設定です。それでも
よろしければどうぞ。





リョーガと結婚して
1年が過ぎた。そして、
今日嬉しいことが
解った。



『リョーガ驚くかなぁ…』



否、絶対驚く。自然と
顔が綻ぶ。



『ただいま』

「結、お帰り。
病院行ったのか?」

『うん』

「何だって?」

『至って健康だってさ、
どちらも』



良かったって安堵の
溜め息を漏らしてくれた。



『どれだけ心配だった
のよ

「スゲー心配した。病気
かと思った…」



まぁ、吐き気してたから
ねぇ…。それにしても、
大袈裟な…。



「ん?ちょっと待て」



お?気付いたか?



「どちらもってどういう
意味だ?」



良かった。気付いた。



『リョーガ』

「ん?」

『あげる』



そう言ってアタシが
リョーガにあげた
のは──



「オレンジ?」



リョーガの好きな
オレンジ。不思議そうな
顔してるね。



『それはお礼』

「俺、結に何か
あげたっけ?」

『素敵な贈り物をくれた
じゃん』



あ、頭の上にハテナだ。
鈍いぞ。



『ここにいるんだよ?』



アタシは軽くお腹を
さすった。



「ハ?」

『2人からのお礼』

「…結、マジ?」

『マジです』



しばらくの沈黙。




「っしゃー!!」

『ふふ、リョーガ喜び
すぎ』

「だってよ!俺と結の
子だろ!?」



うん、そうだね。



「あ、だからオレンジ」



理解したようだ。



『そう、あとね。
オレンジの花言葉ね…』





なんだって。


(女の子?男の子?)
(まだ、解らないよ)
(結に似たら絶対
可愛いよな)
(リョーガに似たら
生意気になったりして)










第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -