みんなと共に


「倉田!」

『桃、どうした?』

「行くぞ」

『ちょ…ッ!海堂!?』



何だよ、急にどうした
って言うんだよ。何で
そんなに急いでんだよ。
そう思いながら連れて
来られたのは。



『テニスコート?』



何で?今日何かあった
かな?



「越前の事何も聞いて
ないのか?」

『だから、何の事!』

「アイツ、少しの間
アメリカに行くんだ
ってよ!」



…ハ?何それ。初耳
なんだけど。



「これから部長と試合だ」



アタシに黙って行く
だと…?



『ふざけるなよ、
チビ助ーッ!』



確か、そう意気込んで
いったハズだった。
こんなに自分と闘って
いるリョーマは初めて
見たかもしれない。
フェンスの所に行くと
テニス部が勢揃い。
先輩達も当然いた。



「手塚部長!今まで
ありがとうございました
ァッ!!」



先輩達への礼と、最も
得意とする技で自分
なりの敬意を表す。



「…倉田、越前って
滅多に礼なんて言わねぇ
よな…」

『言わない』

「なら、何で…」

『…あのバカ』



カッコつけ過ぎだよ。
試合はリョーマの勝利。



『…チビ助』

「…結先輩…」

『黙っていなくなろうと
すんな』



…バカ野郎。



「結先輩、今まで
ありがとうございました」



深々と頭を下げる
リョーマが大人のように
見えたのは内緒のつもり
だ。



『来い、リョーマ』

「!」



近付いてきたリョーマを
思いっきり抱き締めた。



「ちょ…ッ!先パ…ッ!」

『必ず…』

「え?」

『必ず…、アタシの元へ
帰ってこい…。リョーマ』



涙声になっていたのは、
リョーマの成長ぶりで。
アタシの腕の中で、
小さくハイと返事をする
リョーマのせい。この
日で部長達が引退だと
知っていたのはアタシと
先輩達。そう、この日で
みんなが集ったテニス部
と夏が終わる。




最後のスマッシュはと共に

(終らない夏を駆け
抜けた)



†アトガキ†
泣けますよね。
手塚とリョーマの試合の
シーン( ┰_┰)









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