あなたの髪に一枚の花弁


卒業式の後。俺は
そそくさと部室へと逃げ
隠れる。理由は、昨日の
女子の噂。





「好きな人の部活の
近くの桜の花弁を好きな
人に取って貰うと
両想いになれるんやって」




…という、話を俺の席の
近くで話していたから。
何時もなら、そんなん
知らんてなるんやけど
流石に今日は…。



「部長、逃げてきたん
スか」

「…おん、匿っといてや」

「いいッスけど、大変
スね。先輩も」

「ホンマやで、来年は
財前やな」



ホンマや、って…。
留年する気かい。



「そういや、部長。
倉田先輩と会うたん
スか?」

「おらんねや…」



俺の好きなヤツ、
倉田がここに来るて
財前が言うとったから
待っとるのに…。



「中々、来ぃへん…」









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