私のいた時間よりも私のいない時間を愛してください | ナノ

 晩飯を食い終えて、暇潰しにくだらないバラエティー番組を見ているとガキが「あがったよ〜!ってミサカはミサカは伝えてみたり」と言いながら隣に座った。髪からぽたぽたと雫が落ちている。肩に掛けていたタオルを取ってガキの頭に被せ「拭かねェと風邪引くだろうが。」「名前に対してもこれくらい積極的になればいいのにってミサカはミサカはアナタに助言してみたり‥‥痛い!そんなに強く拭かないで!ってミサカはミサカは手を退けようと必死になってみる!」ストレートに言われて癇に障ったから強く拭くと手足を動かして抗議してきた。そっから少し力を弱めて拭いてやっていると名前もあがってきた。ちょっと待て、なンでお前も髪が濡れてンだ。
「打ち止め、そろそろ寝ようか。」「乾かさなくていいの?ってミサカはミサカは確認してみたり。」「明日は休みだからいいの。」
「たまにはベッドで寝ないと骨に悪いよ。」と言うと名前はガキを連れて寝に行った。風邪引くぞ。

 時計の針が天井に近くなってきた。「‥‥そろそろ寝るか。」いつものようにそのままソファに寝転がろうとして、ふと動きを止める。‥‥なに名前の言ったことなンざ思い出してンだか。‥ただの気まぐれだ、気まぐれ。そう思い込ませて寝室のドアを開けると、ガキと名前が並んで寝ていた。「‥‥ご丁寧にひとり分空けやがって。」名前の隣に寝転ぶ。しょうがねェから今日は隣で寝てやンよ。気まぐれだ、気まぐれ。‥‥‥‥‥‥明日は素直になってどっか連れてってやろォか。


ソプラノに溶ける休日