あからさま過ぎだよ?
え、気付いてない?



なまえに連絡を入れると死ねとだけ返ってきた。でも帰るとか言わないということは、まだ待っているのだろうか。一体何時間、待っているのだろうか。


そんな事を考えると本当に、嬉しいなんて思う俺は本当に最低かもしれないけれど、俺のために待っていてくれるだなんて。それだけで凄く。それにこれは、デート?なんて考えたら俺の足は少しだけ歩みを速めた。


「お待たせ」

「ふざけんなおい何時間待ったと思ってんだこの格好で。おかげで危うく警察に家出少女として突き出されるとこだったわ馬鹿やろう」

「いい気味だね」

「それがこんな時間に来るお前が言う事かい?幸村くん」


俺がカフェに着いた時、丁度なまえはカフェから出てきたところだった。なまえの部活が終わるのは5時くらいだった筈だから、3時間は待っている。それでも俺は不謹慎にも、なまえが待っていてくれたなんて考えた。



「大丈夫、警察に突き出されても俺が迎えに行ってあげるから」

「ぜってえ来るな。てか、これ以上制服でここにいると本格的に補導されるんですけど」

「じゃあ?」


「帰るんだよ、他に無いでしょ」

「そうやって逃げるの?なまえ。」

「逃げるわけじゃないってば」


はあ、と大きくため息を吐くなまえ。いや、ため息を吐きたいのは俺なんだけどな。いい加減、理由を教えて欲しい。


「じゃあさ、どうせなまえこの辺に住んでるんでしょ?なら一回家に帰って**公園集合。遅れたら死ぬってことで」


「遅れたくらいで死んでたまるか。てかなんでわざわざもう一回出て来なきゃいけないわけ?」


「聞きたいことがあるから、だよ。」


「な…」


俺がゆっくり笑みを浮かべると、なまえは驚いたように目を見開いた。そんななまえも可愛い。男みたいだなんて、思わないね。


「てなわけで、早く。俺もすぐ行くから」


そう言ってなまえに背を向けた。なまえら少しの間そこに立っていたみたいだったけど、その後直ぐに踵を返したらしかった。



素直じゃないな。本当。








お題 確かにおしかったな負け犬


確かにおしかったな負け犬
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