なんだか繋がれた手が妙に熱くてドキドキ、ドキドキさっきから心臓の音が煩い。


「紗夜」


自分の名前を呼ばれただけなのに少し恥ずかしくてでも同時に凄く嬉しいと感じてしまう。
それは誰にでもなるわけではなく、原因も分かっている。


「七葵先輩」
「何だ?」
「先輩のことが好き過ぎてどうにかなってしまいそうです、どうしたら良いのでしょう?」
「……っ、知らん!」


こうやってわざとからかっては先輩の照れた顔を見て愛おしく感じる。


「ふふっ、七葵先輩何だか赤くなっていますよ」
「誰のせいだと思っているんだ!」
「さぁ?」


とぼけて見せる私に先輩は何か言おうとしたかと思えば急に真面目な顔つきになる。
その表情に思わず胸が高鳴るのを感じた。


「好きだ」
「……っ!」


いきなりのことで思考が追い付かない。じわじわと身体が熱くなる。
まるで全身を熱に侵されていくような感覚。


「どうした、顔が赤くなっているが?」
「……やはり先輩は狡い人です」


七葵先輩のしてやったりといったような顔を見ながら相当に赤くなってしまっただろう自分の頬を手でおさえる。
本当に恋の病とはよく言ったものだ。




2011/08/02

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