エロ無し短め。いちゃいちゃさせたいだけ。
オチとかない






「ナマエさん、どうしました?」

『ぇ、あ……その』

ジーッと乙骨くんの手元をみていたら、さすがに本人にバレたらしい。

『指輪が、その』

「指輪ですか?」

『ぅん』


左手薬指だなんて、モロそれしかない指に指輪をしてる乙骨くんを目撃したことがあったから。その
でも、乙骨くんはリカちゃんとの指輪なんだよね?って頭の中での考えて
たしかに……わたしだってもし金次くんが死んじゃったらそりゃ薬指にずっとつけるよなって思い至る。

だから乙骨くんのソレと私のこれはまた別の次元だ。

「ナマエさん指輪しないんですか?」

『え』

「婚約、したんですよね?秤さん指輪してますよね」

『ぁ……あーっと。うん』

そうなのだ、金次くんと婚約指輪を二人で選んだんだけどもちろんお揃いで
だけど、それを左手の薬指につけるのは

なんだか

こう


めちゃくちゃ浮かれてるやつみたいに見えちゃうんじゃないかって気になっちゃって


いや、うん

その、みたいじゃなくて本当に私は浮かれてるから。それがバレるのはイタいんじゃないかとか思っちゃって

一度そうやってタイミングを逃したせいで、いまもうだうだと休みの日以外は着けれずにいる。


婚約までしといてアレだけど、だってまだ学生だし籍入れるのは卒業してからだし
でも呪術師で、何があるかわからないんだから着けるべきなのはわかってるけど

バカップルみたいな、こう
なんか……こういうので浮かれきってたらすぐ別れちゃいそうとか
そういう、なんていうかもっと私は落ち着いたお付き合いがしたいのに

ずっとドキドキしてて、ずっともっとすごく大好きになっていってて

金次くんと一緒にいると舞い上がって未だに浮かれきっているのだ。

金次くんはわりと落ち着いてるけど、私はずっとぽわぽわした気持ちでこんな気持ちのまま薬指に指輪なんかしちゃったら
たぶんふとした度にニヤけちゃって浮かれポンチ野郎になっちゃうって

馬鹿みたいな思考で、指輪を通せずにいる。

でもだって、未だにブレスレット目に入るたびに顔緩んじゃって、気がついたらピアス触っちゃったりして
もう本当に浮かれてるから

「ナマエさんが18になったからほんとはすぐにでも籍入れたいって、秤さん言ってましたよ」

『ぇ』

そ、そんなこと言ってたんだって顔が熱くなる。
どうしよう、めちゃくちゃ嬉しい。だめだぁ、口元またにやけちゃう。

「ナマエさん誕生日3月だったんですねぇ」

『うん、だからやっと18歳になったんだぁ』

「ほんと周りと比べたら”やっと”って思っちゃいますよね。僕もこの前やっと18歳になったんでわかります」

『へ』

え、18さい?

「僕の場合同期と比べられないですけどね」

へにゃって乙骨くんが笑って

『え、乙骨くんって……同い年なの?』

「え」


お互いにびっくりした顔を晒してる

「あ、そう……なんです。僕高専来る前にごちゃついてた時期があって」

『え!そ、そうだったんだ!私普通に年下だと思ってた』

ひゃーってほっぺだが熱くなる。だってだって
真希ちゃんはあんなかんじで、狗巻くんもいいとこの家系だし、パンダくんはあれだから
つまりやっと後輩!って感じの後輩ができた!!って思えて。先輩として優しくしないと!しっかりしないと!って勝手に気合い入ってたから。いや、まぁ実際そんなに絡むことなかったからアレだけど
私鬱陶しい感じに先輩感だしてなかったかな。同い年だったなんて……恥ずかしすぎる。

『あ、え!じゃあ敬語じゃなくてもいいよ!』

「え……でも、先輩は先輩ですし」

『え……そう、かな』

同い年とわかった今いざそう言われると少しだけそれはそれで落ち込むというか……乙骨くんは優しい感じするからもっと仲良くなれるかなって思ったんだけど
今度は馴れ馴れしかったかな。
そんな事言ったら金次くんは年上だもんね?

「ぁ、じゃあ……少しずつってことで」

『え』

乙骨くんを見れば、少し眉を下げて笑って

「ずっと敬語だったから、すぐは難しい……かも」

頬をかきながらそう言う乙骨くんはやっぱり優しくて

『ありがとう』

「いえ、僕こそ……ありがとう」

乙骨くんともっと仲良くなれそうだなって胸があたたかくなった。一緒の3月生まれだし!って連帯感まで勝手に感じて

「それで、指輪しないの?」

『へ』

意外にも話がもどったってびっくりしちゃって
そのままするすると

『だ、だって……指輪なんかしちゃったら。浮かれきっちゃってるのバレちゃうもん』

「ぇ」

耳の先まで熱い。恥ずかしいし、こういう……所謂惚気?みたいな話は誰にもしたことがなくて
恥ずかしいから、人にほいほい話す話でもないし
でも乙骨くんならベラベラ人に話さないだろうし

ていうか……その

1回くらい、惚気てみたい

このふわふわした気持ちを、言葉にしてみたくて

『たぶん、ずっと……金次くんのことで頭いっぱいになっちゃうから』


うそだ。指輪なんかしてなくてもふとした時に金次くんの事ばっかりが頭を過るのに


それは、依存なんじゃって少しヒヤリとする

「え……いまさら?」

『え』

「え?」

乙骨くんの言葉に思わず彼を見つめて

「だって、ナマエさん秤さんのことめちゃくちゃ好きでしょ?」

『へ』

「いや、本当に……前までどうやって隠してたの?っていうくらい。今ダダ漏れだよ?普通に」


な、なんてこった


顔がぶわってあつくて

『そ、え?みんな……そう言ってる?』

ひゃーってほっぺたを両手で庇って乙骨くんを伺う。

「みんな、……まぁ?みんな、かな」



まじかぁって顔が熱くて仕方がない。
てか、乙骨くんめちゃめちゃ普通にタメ口じゃん!ぐいぐいキてるじゃんか!なんて考えを別のところに持っていって少しでもこの熱を逃がせればって思うのに

「停学の前から付き合ってたんだっけ?」

『ぅ、うん』

はずかしい、はずかしいけど

金次くんとの話をしているって思うと、ちょっと浮かれちゃう自分がいて
律しないとっておもうのに

「あのときは全然気づかなかったなぁ。あ、でも急に秤さん”ナマエ”って名前で呼び出したよね?ああ……あの時からかぁ」

『ぅ』

恥ずかしい、めちゃめちゃ
なのになにこれ、めちゃめちゃ口元緩んじゃう

「でもナマエさんずっと”秤くん”だったよね?」

『だって……それは、』

みんなにバレるのも恥ずかしかったし
名前なんか呼んじゃったら

別れる時に辛くなっちゃいそうで

だから、あのときは必死に押し込めてて


でも今は


そんなの関係ないみたいにこんなに浮かれちゃってる


『は、はずかしくて』

「へぇ、でも今はダダ漏れだよね」

乙骨くんが意地悪に笑って、この子こんな事出来る子だったの?と胸がギュッてする。
からかわないで欲しいのに、別に嫌じゃないだなんて本物に浮かれている。

「ゆびわ、付けてほしいんじゃないの?秤さん」

『ぅ』

それは……わかってるけど

「ナマエさんが秤さんにベタ惚れなんてもうみんな知ってるんだし、つけなよ」

『ぇ、え?』

「どこにあるの?部屋?」

『え、あ……うん』

「じゃあとってきて、今すぐ着けよ?」

『ぇ』

「こういうのは勢いだから。ほら」

『で、も』

「秤さん、ナマエさんが指輪つけてるの見たら嬉しいと思うけどなぁ」

『そ……そう、かな』

金次くんはやっぱりつけてほしいって、思ってるよね?なら嬉しいのかな
でも、指輪つけてヘラヘラしてるところ金次くんに見られたら……呆れられちゃうんじゃ

「つけてないと牽制にならないでしょ?」

『へ』

「だから日に日に増えていくんじゃない?跡」

『え』


乙骨くんの指先が首筋を指して


「見えるとこ、いつもガッツリだね」


ぐわぐわって茹でるみたいに顔が熱くて

『ぁ、え!これは』

グッて手のひらを首筋に当てて隠すように

「指輪したら落ち着くんじゃない?それも」

『ぁ……そ、かな』

ニコニコって乙骨くんが笑ってるのに、恥ずかしくて全然目を合わせられない。
恥ずかしくて目の奥が熱くて、もう泣いちゃいそうなのに

やっぱり嫌じゃないだなんて、浮かれ過ぎな自分が恐い。”ナマエは俺のだ”って言われてみたかったけど、いざこう他の人にソレを指摘されて思考が正常にできない。
金次くん私のこと好きなんだってちょっと嬉しいだなんて

なんて末期なんだろうか


「うん。ほら、こっちもついてるよ」

『へ……んッ』

指先で触れるか触れないかみたいな、優しく
首筋に曖昧にあたった指先が擽ったくて

肩が上がってキュッて目を瞑ってしまう。


『わッ!』

ぐわって強めに肩を引っ張られて身体が後ろにぐらつく。
ポスッて身体が包まれる感覚と同時に


「なんだナマエ。浮気か?」

『きんじ、く』


ギュッて後ろからおっきな身体で抱きしめられてぐらぐら酔いそう。
金次くんの唇が髪に触れて、吐息が頭皮をなでてゾワゾワッで甘く痺れる。
金次くんの匂いにくらくらして

こんな、人前で露骨にベタベタするの珍しいって恥ずかしいのに

金次くん本当にヤキモチやいてくれたのかな。なんて

ドキドキキュンキュンして、頭がボーってする。

「ナマエ、いくぞ」

『ぁ、乙骨くん。ありがとね』

「いえいえ」

じゃあねってちゃんと言う前に金次くんに引っ張られてその場をあとにした。


『ちょ、金次くんッ!ん』

寮の私の部屋に押し込まれて

「あ?随分楽しそうだったなぁ」

『ちょっ、まってぇ』

ガブッて唇を貪られて
くちゅってエッチな音をたてて舌が絡んで

少し離れた唇に、欲情しきってとろとろな瞳のまま金次くんを見上げれば

「ナマエは誰のものかちゃんと身体に教えこまねぇとなぁ」

金次くんが目を細めてそう言って
その楽しそうな表情に、わかってるのにこじつけて
凄いやらしいことしたいだけなんだってわかっちゃって


お腹の奥キュンキュンして


『浮気なんかしてないもん』

いっぱいめろめろに教えこんでっておねだりしそうなのを我慢して
気づいてないふりして、ちょっと強めの口調で返せば

「あ?あんな可愛い顔さらしてよくいうぜ」

『へ』

可愛い顔ってなにってちょっとびっくりして、じわじわとまた顔が熱くなる。

『ひゃっ』

ばふってベッドに押し倒されて

「まだ足んねぇか?」

ぷちゅって舌が首筋を這って、そのままジュッて吸い上げられて
金次くんの色気に溺れる。









「はらへった」

金次くんが全裸でベッドに横たわったままクワッておっきな欠伸をする。
私もお腹空いた。だって金次くんあのまま晩御飯もそっちのけで、いっぱいエッチして
もうなんかもう、ヘトヘトすぎてそのまま寝ちゃったのだ。目を覚ませば朝で、私はけだるい体に鞭をうってなんとか制服に着替えている。

昨日、ほんとに……めちゃめちゃえっちぃかったって金次くんを思い出して

『ナマエは金次くんのものです』って”ちゃんと”言えるまで何回も繰り返し言わされて
舌っ足らずになったらやり直しっていわれて
喘いで途切れたら「なんて言ってっかわかんねぇぞ」っていわれて
クリトリスめちゃめちゃ指でぬこぬこ虐められて、ビリビリ気持ちよくて
全然上手に言えなくて

すごいえっちだった

「じょうず。よく言えました」って耳元で甘く囁かれて頭撫でられて
もうほんとに完全に金次くんに調教されちゃってる。「ご褒美」ってやっとおちんちん奥まで挿れてくれて、そこからまた

めちゃめちゃイかされて……もう


思い出すだけで子宮がじんじんする。


『ひゃッ』

「また欲しくなっちまったか?」

腕を引っ張られて、金次くんに抱きとめられる。金次くんの前だと気が緩み過ぎてる。

『ちがうもん』

「あ?エロい顔してっけど?」

脇腹を指で撫で上げられて息が止まる。
だめ、このままじゃまた何時もみたいに流されちゃう。

『きんじ、くん』

「ん?」

『ぁ、これ』

ベッドの脇。わりと質素な私の部屋で唯一女の子らしいものが集められた一角に手を伸ばして


『きんじくんつけて』


恥ずかしさを上書きするみたいに甘えた声を出したのに
そのせいでなんだか二倍三倍にじわじわと羞恥心が襲ってきた。
なんでもないみたいに、つけたほうがよかったのはわかってるけど……だって絶対そわそわしちゃうから。それならもういっそ金次くんにって思ったけど間違いだった。

チラッて顔が暑いままに金次くんに視線をやれば、金次くんの指が私の手に伸びて
手のひらに置かれた指輪を摘んだ。

「つけてほしーのか?」

『ん』

こくんって頷いて、どうしよ恥ずかしい

「甘えただなぁ?ナマエちゃん」

そう言いながら金次くんが笑って私の左手を優しく取る。

「まじでおまえ」

左手の薬指に、指輪がはめられて

きっと一瞬、数秒の出来事なのに

ドキドキと心臓がうるさくて


「かわいすぎ」


指輪をはめると同時にするりと指がからまって手を握られる。
与えられた一言にどんどこ心臓がさらにうるさくて
指先まで脈打ってるから、きっと金次くんにはバレちゃってる。



『金次くん。ありがとう』



わたしを好きになってくれて

少し声が震えて、それだけいうので精一杯

「どういたしまして」

金次くんが目を細めて優しくそう言って



もうほんとうに、金次くんが好きで仕方がないと朝っぱらから思いしらされる。












※オチとかない
※そのうちエロ部分補完したい









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