欲望のままに貪って
そのままゆるゆる二人でベッドに転がってた。
少し時間が経ってから金次くんが身体を起こして腕をベッド脇に伸ばした。

「これ、着ていいぜ」

『ぇ……いいの?』


おっき目の紙袋からごそりと現れたベージュのジップアップパーカー。

「ずっと裸でもいいけど?」

『えッ!……これ、着る』

キュッてたぐり寄せて。かなりおっき目のパーカーを抱きしめる。
私が今日着る用にって買ってくれたんだよね?気使わせないように自分のサイズのパーカーにしてくれたんだよね?きっと……金次くんやっぱり優しいなって嬉しくなる。
そういえばスカート染みになってないかなってちょっとほっぺた熱くなって、ぬるま湯で洗ったら大丈夫かって思い至る。

『じゃあ、シャワーして着させてもらうね』

私のブラとショーツが入っているであろう例のビニール袋はどこにあるんだろうとベッド脇を覗き込むように姿勢を正す。

「ぁーあと、これも」

さっきのおっき目の紙袋の中から、二周りくらい小さい紙袋が出てきてこちらに差し出される。
ゆっくりそれを受け取ってまじまじと見ると、見覚えのある紙袋で胸がキュッてする。


「クリスマスプレゼントな?それ」

『ぇ……』

バッて金次くんをみると、ちょっといたずらっぽくわらってて
また心臓がガッて鷲掴みにされたみたいで

『ぁ、りがとう』

気の利かないポソポソッてした声でお礼を言うのが精一杯で
でもこの紙袋ってことは


「いってこいよ」

『ぁ、え……ぅん』


促されるままにパーカーと紙袋を抱えて脱衣所に入った。
心臓ばくばくしながら紙袋の中をのぞいて

『ッ!』


秤金次。裏切らない男である。


繊細なレースがふんだんに使われたソレ。黒がベースで白と淡いピンクのレースに織り込まれたゴールドの糸が所々キラキラと光る。
手に取ると生地の肌触りの良さに、これ一番上のラインのやつだってすぐ理解して
じゃあめちゃめちゃ高いんじゃって思ったのをかき消す衝撃。
両手の中にあるブラの向こう、紙袋の中。



ガーターベルトだ


ブラジャーにショーツ
ガーターベルトにガーターストッキング

うん。一式揃ったね

紙袋の中から出して上に並べる。


めちゃめちゃ、かわいい。めちゃめちゃドツボである。デザインは

ほんとのほんとは、レースとか女の子らしい。可愛いのが大好きで、でもそういうのが全面にでてるお洋服は似合わないってわかってるから着れない。
だからこその下着でめちゃめちゃ可愛いのをつけているわけで
だから正直こんな見るからにお高そうな繊細なガッツリレースのランジェリーセットとか
着てみたいと思ったことはあった。でも高校生だし、大人になってから……なんて思ってて。なんなら部屋に飾っときたい!なんて思ったくらいだったのに


こうしていざ目の前に並べて



そして金次くんが選んでくれたものって思うと



ドキドキがそれどころじゃない



金次くんはどうしてこんなに私の事をわかってるんだろって
ほっぺた両手で押さえつけて、もう本当好きってそればっかりでいっぱいだ。

こんなえち可愛い下着きて、金次くんとセックスするなんて

幸せすぎじゃない?なんて


浮かれっぷりが極まってる




下半身ぐずぐずだったのを思い出して一瞬でシャワーを浴びて適当にスカートを洗って浴室から出る。
ドキドキしながら纏っていく。ガーターベルトの使い方を一応ネットで確認しつつ。あまりの可愛さにテンションが内心振り切っている。
ちゃんと背中から集めて胸に持っていって

おっぱいは女子高生にしてはそこそこおっきい方だと自覚している。
身体だけで言えば自分で言うのもアレだけど所謂"エロい"に分類されると思う。
そんな身体の上に一式すべてを纏って

脱衣所の洗面台の鏡を正面から見て


ため息が出るくらい綺麗だ


『かわいい。やばい。かわいい』


すき、金次くん大好きって思いながら鏡をのぞき込んで
白い肌に赤黒く目立つ跡。その上を黒い線が走っていて
左の肩紐がちょうど通る位置にある噛み跡にお腹じんじんして

ブラウスの上からだったのにこんな跡になってるなんて……めちゃくちゃ強く噛まれたんじゃない?って思いながらも
跡をつけてくれたのが嬉しくて、ゆっくり指先でなぞる。

ずっと消えなかったらいいのに


そしたら、わたしは金次くんのだってちゃんと思えるのに


消えちゃったら
また、付けてもらおう。あ、でも今度はキスマークにしてもらおうかな……なんて口元緩みっぱなしで、本当に完全に浮かれている。








『きんじ、くん』

ベッドの上でTシャツにあのカラフル柄のパンツ姿で胡座をかいて、膝に片肘をついてスマホを弄っていた金次くんの
視線がゆっくりあがって、パチリと目が合う。
心臓がばくばくしてる音がする。

「彼パーカーってやつだな」

目線を右にそらして、萌え袖を通り越して指先まで覆う袖口を口元に持っていって
このドキドキををなんとか抑え込もうとする。
さすがに下着姿で出ていくのはできなくて、金次くんから受け取ったパーカーを上から羽織ってしっかり全部チャックを閉じた。しっかりお尻の下の太腿まで隠してくれたパーカーから、足を動かすと太腿のストッキングと素肌の境目がチラチラ見えてしまう。


『ぁの、ありがとう』

「ん?」

『えっと……下着も、パーカーも』

ベッドにゆっくり腰を下ろして、改めてお礼を言う。だって、こんな一式……普通にかなりいい値段するのに
あ、初めての"プレゼント"になるんだ。これ。急にプレゼントって言葉を認識して胸がぐわぐわ熱くなる。

「気に入った?」

『ん。すごい……かわいい』

「そりゃよかった」

金次くんがフッて優しく笑う。ああもう、その笑い方好き。
少しだけ唇が開いて口角が上がって
片眉が下がって、目が細くなる。そしてちょっとだけ顎が上がるの

優しい表情なのに、色気が含まれてて

すごいすき


「んじゃ見せてもらおっかな」

『ぁッ』

金次くんの指先がパーカーのチャックを掴んだ。ゆっくり、ジジッて降ろされて
開いていくパーカーの隙間から肌色が見えて、心臓が口から出ちゃうんじゃないかってくらいばくばくしてる。

「おー」

下がりきったチャックが左右に別れてダボダボのパーカーは肩に引っかかってるだけみたいになっちゃって

『んッ』

「くっそいいな」

するりと金次くんのおっきな手が腰のくびれをなぞって腰側に回る。
両手で背骨を撫でられて、ゾワッでして胸を突き出すみたいに背中が反る。
そのままクッて優しく腰を引かれて、金次くんの望みどおりにゆっくり膝を立てて胡座をかいた金次くんの上に座る。
そのはずみでパサリと左の肩をパーカーが滑り落ちて行った。

「なぁ」

チュッチュッて金次くんが首元に顔を埋めて皮膚に柔らかくキスを落とす。

「痛かったよな?これ」

優しく唇でキスをしながらそう言われて、噛み跡にキスしてくれてるんだってわかって
痛かった。たしかに本当に痛かった。イキながらボロボロ泣いちゃって……そりゃポルチオアクメ気持良すぎて完全にキマってたけど、でも、多分あれは痛過ぎてびっくりして涙が出た気がする。
ごめんって言うみたいに金次くんが優しく噛み跡にキスして、頬を髪の毛がくすぐる。
痛かったから、噛むのはダメって言いたいのに

すごいいっぱい気持ちよかったこととか

金次くんが好きってこととか

"跡"が残ってて嬉しいだとか

金次くんが愛おしいって気持ちに体全部支配されて



「って……ナマエ」

唇を離して私を見上げた金次くんが困ったみたいに笑って

「蕩けた顔してんじゃねーよ」


だって


「噛まれて嬉しかったんか?」


金次くんがすきなんだもん


『痛かったけど、その』

「なに?」


なんて伝えたら上手くこの気持ちを伝えられるんだろう

『きんじくんだから、その』

どうやったらこの愛おしさを言葉にできるんだろう


『なに、されても嬉しい……かも』

心臓ばくばくで言葉にしたそばから照れちゃって、取ってつけたように曖昧さで包んだ。
でも全然包めてないなぁって思うと同時に、さすがにちょっと……好きが重すぎるんじゃって胸がズキッと痛んでやらかしたかもって思う。

きっとほんの数秒
些細な時間だろうに、急激に身体全部が不安で侵食される。

「ナマエは……」

金次くんが呟いた私の名前にドキリと心臓が煩いくらいに音を立てて、次にくる言葉がなんなのか予想がつかなくて怖い。



「そうだった、オマエドMだもんな」

『んッ』

金次くんがペシッてデコピンしてきて、突然なことで心臓が更にうるさくなる。
全然痛くないくせにおでこに手を当てて少し俯いて、金次くんに顔を見られないように

嫌がられなくて、引かれなくて良かったって思うのに
金次くんへの重めの好意が、性癖ゆえだと変換されてしまった寂しさが胸にこびり付く。
きっと金次くんは、私の"好き"の意味までは知りえないから
こんなドロドロした、激重の"好き"だなんて……きっと思ってもいないだろう

でもこれでいいんだって胸のじくじくした痛みを無視して

だって私と金次くんは




ああ、もうこれ以上は考えたくない。


『でも、痛いのは痛いからやっぱり噛むのはダメ』

腰に回されてる金次くんの腕に手を置いて、ゆっくりそう言葉を紡いで。

「んじゃなにがいい?」

『へ』

もう一回チュッて優しく跡にキスをした金次くんが私を見上げてそう言って
じくじくした胸の痛みなんか吹き飛んじゃうくらいに、ドキドキして


顔を下げた金次くんが、胸元に唇をよせて
チゥッて少しピリッてするくらい

ああ

だめだよ


どんどんだめなくらいに好きになっちゃう


「これは?ダメか?」

『ん』

鎖骨の下に咲いた赤い跡に心も身体も全部喜んじゃってる。

『だめ、じゃない』

「嬉しい?キスマーク」

自分はキスマークなんて馬鹿みたいって言ってたくせに
金次くんはずるい


『うれしい』


言葉にしちゃったらとめられなくて


金次くんのモノって言われたみたいな気になって

金次くんも、私の事を好きなのかもって


あたまぐらぐらして嬉しいって思っちゃう。


「んじゃいっぱいシてやるよ」

鎖骨から胸の膨らみにかけて、ゆっくりじっくり一つずつ増えていくそれが嬉しくて
目の奥が熱くて身体が小さく震える。
おっきな手で太腿、ガーターストッキングと素肌の境目を撫でられてぞくぞくして、頭がとろとろになる。



「この前のお返しな」

『ぇ』

金次くんがニヤニヤしながら胸元に埋めていた顔をあげて、指先を首元に持っていった。
金次くんが触れたそこには何もなくて、たくましい筋が浮き彫りになってるだけ。あの時恍惚の合間につけてしまったキスマークは薄い赤で正面からは見えづらい所だったから、きっと金次くんが気づく間もなく消えていったんだとばかり思っていたのに

『ぁ……』

「罰だろ」の一言を思い出して、あのときの自分は金次くんが嫌がることをしてしまったんだったってヒヤリとする。
浮かれて喜んでる場合じゃなくて、金次くんからしたらこの行為は私が思ってる意味なんかなくて
ただあの時の仕返しでしかなかったんだ。完全に浮かれきった自分が哀れで滑稽に思えてきて

『ごめん』

この感情をどう整理したらわからなくて
とっさに震える声で謝罪の言葉を口にするしか出来なかった。

「あ?べつに謝れって言ってねーだろ」

『でも……金次くんは嫌だったかなって』


どうしようどうしようって頭がぐちゃぐちゃで


この期に及んで




わたし、金次くんに好きになってもらいたいんだって自覚してしまった



ずっとそれでもいいって

べつにエッチなことだけで、その時だけそういう限定的な好きを貰えればいいんだって

だってそうじゃないと

もっと離れたくなくなっちゃうから

だからそれでいいんだって言い聞かせてきたのに



金次くんと、ちゃんと恋人同士になりたいだなんて



「べつに嫌じゃねーけど」

『ぇ……でも"罰"って』

嫌じゃない。にまた少し嬉しくなっちゃって、わたしはなんて馬鹿なんだろう。
馬鹿な脳みその中に浮かんだ疑問がそのまま口に出て
たっぷり5秒。金次くんがアホ面を晒す


「は?」

『ぇ?』


え?
は?ってなに?


『ぇ……キスマークは罰だって』

「あ?」

『え?』


お互いにたっぷり見つめ合う

「あー……あー、ああ、あれな。うん、そう、そうそう」

『何その反応』

「いや、あれは……あー……、見せびらかすみたいに浮ついてデレデレしてる男はみっともないって話だろ?」

『ん?』


そう、言われたらそんな感じのことも言ってた気がするけど……じゃあ、つまり


『見えないとこだったらいいってこと?』

この前付けちゃったとこは、制服だとかろうじて見えにくいとこだったからセーフだったんだろうか。なんて頭でごちゃごちゃ考えながら


「ん?あー……つーかまぁ、ナマエだったらべつにいいぜ。どこにつけられても」

息が止まる。目の前がくらくらする

なんで、金次くんはそんなことを軽々と言うんだろう。

どうしよ


うれしいだなんて思っちゃう


とめられない
口元が緩んじゃって、なんとか誤魔化さないとって下唇を噛んで耐える。
こんな締りのない顔みせられない。全然耐えられなくて、もう咄嗟に抱きついて顔を首筋に埋める。


「ん?なに?嬉しかったか?」


ああもうバレちゃってる


『ぅん』

ちっちゃい声で呟くように返事して
ドキドキしすぎて全然上手く呼吸が出来ない。落ち着かせようって深呼吸するのに、金次くんの匂いでいっぱいになっちゃって

もうドキドキして好きって思っちゃう。


「んじゃナマエもつける?」


心臓が痛いくらいにバクバクしてる


『いい、の?』

「いいぜ、どこでも。好きなとこに」


好きなとこ


どうせなら、見えるとこにつけたい


金次くんは私のだって見せつけるみたいに



でも、


やっぱりそれは恥ずかしいし、勇気がない


どうしようかって思いながら無難に見えない鎖骨あたりだろうかって首筋に埋めていた顔を少しだけ上げる。
Tシャツを着てるから見えないところって思って、襟元を指で引っ掛けて軽くズラす。鎖骨の上側に唇を寄せて

ちゅうって


金次くん好きって大好きって頭の中で何回も唱えながら吸い上げて
ゆっくり唇を離すと赤くなった皮膚にドキドキする。少し薄めのそれに遠慮が透けちゃってて、金次くんがいいって言ってくれてるのにビビっちゃうなんて本当に私は意気地なしだ。
指先で丁寧に襟元を直すともう赤は見えなくなってしまった。


「そこだけでいーのか?」

『ぇ』

気持ちを読んだみたいにそんなことを言われて、せっかくもらったチャンスに
やっぱりもうちょっと勇気をだそうかなだなんて

顔をあげて、もう本当につけてしまおうかと首筋あたりをジッと見ていると


『そん、な……見ないで』

あまりの視線の熱にもっと顔が熱くなる。

「なんで?」

『だってぇ』

バッて両手を頬に添えてなんとか恥ずかしいのを抑え込もうとするけど、なかなか難しくて

「前ガッツリつけてただろーが」

『あの時はだって』

「ん?」

だって金次くんの事好きとか、そういう……意識してなかったし。
なんで、あんなに見えるとこにガッツリキスマークなんかつけられたんだろう私。
好きになっちゃったから、出来なくなること
躊躇してしまうことがあるんだなんて、別に知りたくなかった。


ちらって目線をやれば金次くんは楽しそうに私をみつめてる。

『見ちゃだめ』

「あ?」

ガバッて金次くんの目を両手で庇って、掌にピクッて金次くんの瞼の動きが伝わってドキドキする。咄嗟にこうして金次くんの目線を封印したけどここからどうしようかって今になってちょっと慌てて
みえるとこ……キスマーク、つけていいかな?
心臓ばくばくしてる。

「んじゃはやく」

目を覆われたまま金次くんの唇が動く。
心臓の鼓動が耳の後ろまで響いてる。
頭ぐわぐわするくらい、金次くんが好きだって思う。

力の抜けたゆるくあいた唇。少しだけ口角があがってて
おっきな手で腰を撫でられて甘く痺れる。


金次くんはいつも余裕だな



私ばっかりが、いつもきっとドキドキしてるんだ




ゆっくり近づけて


一番


刻みつけたいところに



『ん』


唇をつけると
ビクリと金次くんの身体が跳ねて、腰をなでていた手に力が入って抱き寄せられる。
柔らかい唇を食べる様にキスをして、ゆるくあいた隙間から舌を滑り込ませて
角度を変えて、もっと深く

金次くんの思考に

私の好きを刻み込みたい

『んッ、ふぅ』

目隠しをしてる手を滑らせて金次くんの耳を塞ぐようにして
もっとって顔を引き寄せて
ぐちゅぐちゅ頭の中に響くくらいわざと音を立てて
金次くんの舌を絡めて捕まえて、チュルッて吸う。金次くんは私のモノだって、だから今はどこにも行かないでって私だけを見ていてって

金次くんが私でいっぱいになればいいのにって

懇願するみたいに

深く深く


いやらしく、貪るみたいなキスをして


わたしはあなたを求めていますと表現する



『ん……はぁ』


ゆっくり唇を離すと、金次くんの瞼が僅かに開く


「ナマエ」

低くて、欲情を纏った甘い声


「責任とれよ」

グッて腰を押さえられて、下からグリグリッて固くて熱いのが押し付けられる。



『金次くんこそ、責任……とってよね』



わたしをこんなにして


簡単に離れられるなんて思わないでほしい


「のぞむところだ」










『ふ、……ぅ』

Tシャツとパンツを脱ぎ捨てて足を伸ばして座っている金次くんにショーツだけを剥ぎとられた私は跨って
くちゅってエッチな音を立てながらゆっくり腰を沈める。

ぞくぞくして、お腹きゅうってしまる。
もう金次くんのおちんちん入ってるって思うだけで気持ちよくてたまらない。

「触ってもいねーのにぐちゃぐちゃじゃねーかよ」

『うッ、ん』

「くそえろい」

お臍のまわりくるくる指先で撫でられて、思わず腰が揺れる。

「おい。はえーよ」

『きんじ、くんがぁ……やめて』

金次くんの手を捕まえてギュッて指を絡めて握る。
ずちゅって奥まで入って、ごりゅって子宮を押し上げられる。


あ、やばい

きもちよくなっちゃう


ちょっと揺れただけでポルチオ撫でられてるみたいな気になって、ふつふつ気持ちいいのが緩く湧き上がってきて思わず息が止まる。


「おいおい、もうイキそ?」

『ちが、ぁッ、…まって』

ふうふう呼吸しながら腰が揺れないように、これ以上エッチな気持ちにならないように
金次くんにもたれかかるように身体を預けて力を抜く。


「ナマエ」

優しく頭を撫でられて、もうぞくぞくしちゃう。せっかく力を抜いてるのに頭ぐわぐわしちゃってたまらない。


"先に動いたほうが負け"だなんて意味不明なゲームがはじまって
ちなみに"動く"は所謂腰を振った方がという意味であるらしい。
"責任とる方を決める"だなんてこじつけもいいところで、勝った方は何でもお願いを聞いてもらえるだなんて、これまた陳腐な内容


イッたほうが。じゃない分まだ優しいと思ったのに

そんなに優しくなかった


チュッチュッて金次くんが私の胸元にどんどんキスマークを増やしてきてキュンキュンしちゃう。
金次くんの挙動全部にキュンキュンしちゃうだらしがない私は金次くんをギュッて抱きしめて、ググッて柔らかい谷間に金次くんの顔を埋めさせて、なんとか動きを封じることしかできない。

胸元にかかる荒い熱い息にぷるって身体が少しだけ震えて
腰からお尻、太腿をゆっくりと撫でる手に腰がもう揺れそうになっちゃう。
なんだかもう金次くんの全部に身体が反応してしまう。ブラしててよかっただなんてぼやけた頭で思って、この状況で乳首なんか弄られたらすぐ腰へこへこしちゃうに決まってるもん。そんな自分の痴態を想像してお腹の奥じくじくしちゃって
もう本当にだらしがない。



どうせ私は"お願い"だなんて思いつかないのに。
だって一番金次くんに叶えて欲しいお願いは叶わないから



だったらどうなっても別にいいはずなのに


金次くんが楽しそうにするから
"つまらない"私の精一杯、全部使って金次くんに応えたいから

だから負けちゃわないように我慢しないといけないんだ


きゅうってお腹の奥がうねる


「はッ、おま」

『んぅ』

「それずりぃだろーがッ」

腰は動かさずに、ナカをきゅうきゅう締め付けて

『腰、動かしてないもん』

「ばか卑怯だろッ」

金次くんの焦った声に嬉しくなっちゃって
金次くんが好きだよって言うように、おちんちんを膣で刺激する。

あ、でもだめ


これ


きもちよくなっちゃう


自爆したみたいに気持ちいいのがキちゃって、キュッて金次くんを抱きしめる腕に力を入れて誤魔化す。

「あ?ナマエも気持ちよくなっちゃった?」

もう金次くんは目ざといからすぐ気づいちゃって、そういう所は嫌いだ。


うそ、だいすき


『んッ、も……やだぁ』

力を抜きたいのに、はあはあしちゃって
お腹の奥がきゅんきゅんしてる

やばい


「まじでナマエかわいいなぁ」

『ひゃぁッ!』

胸から顔を上げた金次くんが首筋をべろりと舐め上げて、ぞわりと背筋が伸びる。
グッと腰が反ってしまったけど流石にこれはノーカウントだろう。

「あ、締まった。かわいいって嬉しいんだったなぁ?ナマエちゃんは」

『や、め』

金次くんが私の頭を自分の首筋に押さえ付けるように捕まえて

耳元


甘くて
低い声


「かわいいぜナマエ」

『ッ』

「また締まった。まじでかわいいなぁオマエ」

ドキドキして
胸が痛くて


しかたながない

きゅうってお腹の奥締まって
ぐわぐわ脳みそ揺れて気持ちがよくて


「ナマエ」


今度は囁くみたいに小さな声に

全部の意識が持ってかれて







「好きだ」




ああもう、そんなのずるい


心臓がどくどく煩くて痛い


「きゅうきゅうしてる、嬉しいか?」


そんなの、嬉しいに決まってる



「好き。好きだナマエ」

『ゃ、』

切なさを含んだ甘い声に
これ以上は心がもたないって、金次くんから逃げようと胸に手を置くのに
ギュッて抱きしめられて逃げられない


「好き」

『ぁ、う』


「まじで、すきだ」


耳にチュッチュッてキスされながら囁かれれば、お腹の奥うねるのがとめられなくて

甘く痺れて


ゆらゆら揺れる



「ナマエかわいい」


『ふッ、ぅ』


「すげーすき」


ぐちゅぐちゅ厭らしく腰を振って
きもちいいので頭が一杯になる。

もう、イっちゃう


『ぁッ!ひゃ』

後ろに手をついて、反対の手で腰を掴まれて
ぶちゅぐちゅって奥を突き上げるみたいに金次くんが動いて息が止まる。

「動いちまったなぁ?ナマエの負け」

『ふ、ぅ』

ぽろぽろ涙が出ちゃって見られないように肩に顔を埋めながら
与えられる快感を享受して、自らも腰を揺らしてすがりつく。

『ぁッ!あん』

貰えた"すき"が嬉しいからか
"すき"の意味を慮って胸が痛むからか

もう全然わからないくらいに


きもちいい

もう、なんでもいい


「ナマエッ」

『き、じく』

名前を呼ばれてぐわぐわ揺れる視界に金次くんを入れて
かぶりつくみたいなキスを受け入れて
くちゅくちゅって
エッチな深いキスをしながら、ポルチオごちゅごちゅされて

ぜんぶきもちよくて

ギュッて抱き締める腕にお互い力が入って


『んーッ』

ブワッて頭の中で溢れてしまった




「ナマエ」

『ぁ、はぁ……うぁ』

思考も出来ないほどにとろとろに甘く痺れた身体が金次くんに抱きしめられて
もううっとりと幸福感で満たされる。

背中に回された腕で体を支えられてバフッてベッドに仰向けに覆いかぶさられて

『ぁんッ』

そのままごちゅんって奥おちんちんで突かれて甘ったるい声が出る。


これ、やばいって頭ぐわぐわして


『かっこいぃ』



「は?」


ぽそりと唇から漏れ出た一言が金次くんにバレてしまった。

「え?急になんだよ」

またニヤニヤしてるんだと思ったら、金次くんがちょっと照れたみたいな顔してて

やばい

その顔めちゃくちゃかわいいってキュンてして

「なに?そんな要素いまあったか?」




だってほんと、挿入したままこんなふうに身体ヒョイッて持ち上げて
私を仰向けに寝かせて、覆いかぶさるとか

だってそんなの、え?普通に男の子ならできるんだろうか
無理じゃないの?漫画だけじゃないの?
軽々お姫様抱っこくらい、いやそれ以上にトキメク自信あるんだけど……どうなんだろうか。

そもそも金次くん筋肉すごいし、身体も分厚いし
腰のキュッてした感じもエッチだし
けっこう見様見真似で体術会得しちゃうとことか、身体の動かし方わかってるとことか、体幹強くてちょっとやそっとじゃ軸がブレないとことか、首ガッチリめなとことか
身長高いし、実は常に体格差にぐらぐらきゅんきゅんしちゃってた

正直その、この男っぽさの塊みたいなカラダはドタイプだ。
全然タイプじゃない金次くんの中でドストライクぶち抜いてきた部分で
そんないかにもカラダ目的みたいな感じがするから、あんまり意識しないようにしてたけど

無理


むりぃ


めちゃくちゃすき



金次くんのばきばきの腹筋、凹凸を指先で撫でて
反対の手は照れ隠しに口元を隠す。

だってめちゃくちゃ

『きんじくんかっこいい』



すごいすき


「おま、いきなりやめろ」


目線をずらした様子が、あまりにも珍しくて
きんじくん照れてるんだって愛おしさが爆発する。


『やばぃ、すき。かわいいッ、すき』

「オマエッ」

『んぐッ!あッ!』


ごちゅごちゅって強めに奥揺さぶられて視界がぐわぐわ揺れる。

「調子のんなよッ」

ガツガツッて腰撃ちつけられて
こんな言葉遣いにきゅんきゅんしちゃうなんて、私は本当にM気質なんだろうか

だって


金次くんがすごいすきなんだもん


『ぁッ、ふ』


ああやばい


おく、おちんちんでごちゅごちゅやばい


『んゃあッ!!』

ポルチオ揺さぶられながら、親指でぐにってクリトリスを潰されて
頭の中でスパークしたみたいに真っ白になる。

『やっ、あっ、んんッ』

暴力的な快感にどっぷり浸からされて頭がおかしくなる

『まっ、イッ……らめ』

「あ?きもちーかよ」

ぱちゅぱちゅエッチな音
はあはあって吐息まじりの金次くんの声にめろめろなっちゃって

ググッて金次くんの分厚い身体でプレスされるみたいに抑えつけられて
密着する熱い身体にぐらぐらして


耳元


大好きな甘い色を含んだ低い声



「ナマエ、好きだッ」


『んんーッ!!』


ぎゅうって金次くんを力いっぱい抱きしめて、頭も身体も全部きもちいいので染め上げられた。









「んで、お願い事だけど」

ごろんって二人で向き合うようにベッドに転がって

『ぅん、なに?』

金次くんのお願い事ってなんだろうってぼんやり考える。
エッチな感じのやつかな?とか思いつつも、そもそもこう言うのじゃなくても言われたらほいほいなんでも金次くんにならシちゃう私だから
金次くんにとってこのお願い事はそんなに意味がないんじゃないか?なんて思って


でも何をお願いされるのかな?って気になって


「ナマエは俺にして欲しいこと決めてたのか?」

『え?』

わたし?

『ううん、とくには……』

だって言い出しっぺ金次くんだし


それに、本当に叶えてほしいことは



きっとすごく……金次くんには難しいから



「んー、ナマエのお願い事知りてぇんだけど」

『へ?』


「それが俺のお願い事」


『ぇ……そ、れは』


なにそれ、どういうこと?


「ナマエは俺にどうしてほしい?」

『ぇ』


なんで、そんなの


『そんなの、お願い事にならないよ。金次くんが勝った意味ないじゃん』


急にそんなことを言われても困っちゃう

適当な望みすら出てこない自分のつまらなさに胸が詰まって


「あ?俺はいま最高にナマエを甘やかしたい気分なわけ」


ああもうそんな


「だからなんでも言ってみろよ」



嬉しすぎてわけわからない



『ずるぃ』


「ん?そうだぜ、俺ずりぃから」

金次くんの手が頬に添えられて、親指が唇を優しく撫でる。


「なんでも叶えてやっから、この可愛い口でお願いしてみろ」


もう




すき




『じゃあ、』



心臓ばくばくしてる

全然ちょうどいいことが思いつかない



『キスしてっていったら、私にキスして』


「あ?」


親指が触れる唇に、意識が全部持ってかれちゃって引っ張られて


金次くんが好きって

キスしてほしくなっちゃって



『んッ』


ちゅうって唇食べられるみたいなキスをされて


「そんなんいつでもシテやるって」


きゅうって胸が痛い


『いつでも、どこでもだからね』

「ん、わかった」


死にそうなほどばくばくしてる





『一生、だから。ずっとだからね』


冗談交じりの"一生"

私だけが"冗談"にできないでいる

叶わないお願いの一端を、こうして冗談に織り交ぜて



「おう、まかせろ」


ニッて笑った金次くんにもう身体全部が痛くて
目の奥、鼻先まで熱くなって
泣いちゃいそうなのがバレないように


『キスして、金次くん』



二人の距離をゼロにした








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