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黒のリボン


◇下ネタ
◇自慰表現あり




「はぁっ、名前」

自分の手の平を顔に近づけて、手に持っていた黒のリボンを鼻に当てる。息を吸い込めば、クラクラするほど甘い香りがして体全部が熱い。
こんな事をして、駄目なのはわかっているし名前に知られたら幻滅されると、だから辞めなければと思うのに。この煮え滾るような欲望が彼女に直接行かないようにしているんだ。と自分の行いを正当化する。
髪を梳いただけであんなにも甘ったるい声を上げた彼女。もっと触れてあの声を聞きたい。
ぐぐっと欲望が頭を擡げるのがわかって、名前のあたたかくて柔らかい肌を思い出す。火照って赤く染まった頬、潤んだ瞳で私を見つめて

『アピス様』と甘い声で私を呼んだ。

あのまま淡い赤色をした唇を食べてしまいたかった。


下唇を自分の唇で挟む様に堪能して、舌先で柔らかく舐めれば

『んぁっ』

甘ったるい声が名前の鼻から抜けて、私の身体がゾクゾクと喜ぶ。そのまま緩んだ口に優しく舌を捩じ込んで、驚いて固まる名前の舌をゆるくやわく絡めて捕まえる。
ジュルッとわざとらしく音をたてて甘く舌を吸えばビクリと名前の身体が震える。じっくりと上の歯の裏を舌でなぞって、名前の口内を隅々まで堪能する。溢れそうになる唾液が勿体なくて余すことないように飲み込む。

『ふぁ、アピスさまぁ』

ああ、たまらない

蕩けきった名前の顔にもう欲望が我慢ならないとパンパンに膨らんでいる。

『んッ!』

名前の首筋に唇を寄せて柔らかく舐めあげれば甘い声を上げる。
もう本当に、たまらない。


「くっ、はぁ」

はやくはやくと五月蝿く主張する自身を宥めるように円を書くように手のひらで撫でれば、それだけで腰が浮く。

「はぁ、名前ッ」

『アピス』


そう、名前で呼んでくれ。名前


涎を垂らしている欲望を優しく握って上下に動かす。

「ぁッ…、はぁ」

名前の小さい、ふにふにと柔らかい手が私のモノを扱っている。と
自分のゴツゴツとした手じゃない、あの柔らかい名前の手で

「名前ッ、名前」

指でカリを引っ掛けるように上下に刺激が加えられて、もう我慢ならない。と身体に力が入る。


『アピス』

「ああっ、名前ッ」

ひたすらに名前を気持ちよくしてあげたい。もう私しか見れなくなるくらいに、ドロドロに、声が枯れるくらいに甘い声を出させて。

掠れた甘い声で私の名前を呼んでほしい。

「くっ、うう」

ああ、名前の蕩けきって温かくて柔らかい身体に挿れたい。この硬く滾った欲を奥に奥に沈めて、名前は私の物だと。あの身体に刻みつけるように、強く。


「うっ、名前ッいい」


ああ、すまない名前


ググッと身体の力が抜けなくてかすかに震える。早くなる刺激。高まる絶頂の予感に抗う事ができない。ヌチヌチと、生々しい音が聞こえる。


「ああっ!くッー!!」


ドクドクと、絶え間なく欲望が流れ出て


「あっ、はぁ…、くっ、はぁ」


ゆっくり目を開けると、手のひらの中でベットリと白濁の欲望に塗れた黒のリボンが鎮座していた。


ああ、本当に私は


名前に合わす顔がない。
こんなの、嫌われてしまう。






『アピス様、あの、黒のリボンお部屋に忘れてませんでしたか?』

「え……」

『その、この前、髪を結んで頂いたとき』

名前の顔が照れて赤く染まる。私の顔はきっと血の気が引いて真っ青に違いない。

「……リボン。使わないのか?」

『え、あ!あれは、その。勿体無いのでお仕事の時は黒のリボンをそのまま使おうかなって』

「……いまは?」

『ッ!い、いまは、その、予備のリボンを……』

ごにょごにょと、落ち着かない様子で名前は話すが私も落ち着いてなどいられない。

「すまない、渡そうとポケットに入れていたはずなのだが、失くしてしまったようだ。……その、私のあげたものを使ってくれないか」

『わかり、ました。大事に使います』

「ああ、そうしてくれ」


申し訳無さから必死に欲望を落とした黒のリボンを捨てられずにいたが
バレる前に捨てなければ。とさすがに一度精液に染まったリボンなんて名前に返せない。
自分の欲望に染まったリボンで髪を纏めている名前を想像してしまって
自分は本当に最低だと思うのにひどく興奮してしまって、また落ち込んだ。





補足あとがき


◇多分このあともう一回自慰行為して、また落ち込む流れ。
◇アピスたぶん童貞だから、そう思ったら自慰も視覚的に想像できる範囲でしか出来ぬので手コキかお口での妄想になりそう。
◇アピスは娼婦とか買えなさそう。背景とか考えたら勃たなさそう。愛してないのにそんな事できない。とか本気で思ってそう。だから多分童貞であれ

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