オリアス・オズワール ◇208話の内容ありきのお話です!
「ナマエ先生!」
『はい。』
「これ、前お願いしてた件なんですけど。」
『承知しました。今週末まででしたよね?お預かりします。』
「ありがとうございます。」
ニコッと少し色気が含んだ笑顔を見せるオリアス先生は今日も格好いい。
まさしくシュッとしてる。という表現がぴったりの彼は私の憧れだ。 いつもピシッとスーツを着こなして、ハットが似合っている。 常にキラキラオーラを纏っていて、まじアクドルもびっくりな輝きっぷりだと常々思っている。 ゲームが好きだなんて、そんなちょっと少年みたいなところも逆に可愛くていいし お酒飲めないって聞いてそこもなんか可愛いポイントあがってよき。尊い。 「占星(ラッキーハッピー)」なんて反則級の家系魔術すらやはり彼は輝く星のもとに産まれたのだなと納得しかない。
あまりにも彼はかっこいい。
私には憧れの女性像がある。仕事ができて、しっかりしてる女性。もちろん、身嗜みも手を抜かない。 もとが童顔寄りなので、大人のお姉さん!にかなり憧れがあった。
オリアス先生の隣は、そういった大人な女性が似合いそうだなぁ。なんて考えて 自分もそんな女性になりたいなぁ。なんて思いを馳せる。悪魔見知りも酷くて、引っ込み思案で悪魔らしくない。と小さい時はよく言われた。 そんなふうになりたい!と思う像を演じると、そうなれる。と聞いたので自分なりに研究した。 憧れの女性像を目指す為に妄想しているだけだ。
べつに本当に付き合いたいとかは全く思っていない。 まぁ、めちゃくちゃ格好いいから、1回くらいなら抱かれてみたいかも。とは思うけれど 彼女とかは正直釣り合わなさすぎるし、それに多分疲れる。 あれだけキラキラした素敵な人の隣にいるのはしんどそうだ。
私には荷が重い。
だって、私の「出来る女」は完璧外面だからだ。 恋愛とかまじ無理。
『はー!やっと休みだぁ。』
明日から連休。つまりずっと永遠にゴロゴロして、ダラダラして 好きなときに寝て好きな時に起きて、好きな時に好きな物を好きなだけ食べるのだ!! 部屋にはポテチをはじめとするスナック菓子と、チョコやクッキーなど大量に買い込んだ。 休みに入ったらお風呂以外1歩も外に出たくない。
部屋着は着心地がいいからって兄からパクったTシャツ。緩っときれるし最高。 下は薄手のペラッペラのショーパン。素肌で布団に潜るのが気持ちいいんだよねー。 いつも寝る時は下着だけなんだけど、休みの日にずっと下着だけなのもあれなので、一応あってないような部屋着を着ている。
さて、準備は万端!!休みを満喫するぞー!!!
満喫中にふとスマホをみると、うわ、なんかめっちゃ通知来てる。 え?なに?お母さんだ……。 どうやら、お祖母ちゃんが手紙を送ったのに返事がないから悲しんでいる。忙しいのはわかるけど手紙書けないならせめて電話でもしてあげて?
うわ。ポスト最近みてなかった………。 あー、これ、あー…………
い、いくかぁポスト。出たくなかったのに。 お祖母ちゃんは裏切れない。いや、もうすでに母と祖母の中では裏切ってる扱いなんだけどね。
はぁ、ため息とともに時間をチェックする 深夜3時。あー、この時間ならだれもいないっしょ。 スッピンだし、部屋着だけど大丈夫だよね。たまーに、ほぼすっぴんで寮一室での酒盛りに参加したりするし。うん。大丈夫っしょ。
1階の集合ポストを確認すると、めちゃくちゃチラシが入っていて ポスト横にあるゴミ箱に容赦なく突っ込む。お祖母ちゃんからの手紙と、一回だけ行ったことのある美容室からのハガキをもって廊下を歩く。 ついでに冷蔵庫からアイスとってこうかなー。そうしよ。
真っ暗な中パチッと食堂の電気をつけて冷蔵庫を物色する。えっと、この前買ったやつ名前書いてたしまだあるよね?どこかな
「ぇ………。」
ん?誰か来た?やばっまさか誰かに会うなんて
「え、ナマエ先生?」
誰か嘘だと言ってくれ。
『……オリアス、先生?』
え、か、か、かわいいいいー!!!なんだ! うそでしょ?オフのオリアス先生かわいすぎるっ え!?いつものキラキラオーラは? えっ!!かわいい!なんかかわいい。やばい、やばいやばい!!パーカーのフード被ってる可愛い。え、ちょ、え!!
反則じゃない?ギャップなの?なにそれ。
じゃなかった………
「ナマエ先生、あ、この時間にアイスですか?」
『あ、オリアス先生こそ、この時間にどうしたんですか?』
「あー、いえ、俺もお菓子を……。」
やっぱりかわいいぃい!!尊い。
『夜ふかし仲間ですね。』
「そう、ですね。」
テンパってわけがわからない。 変な沈黙が続く
『えっと………では、部屋に戻りますね?その、おやすみ、なさい?』
「はい。おやすみなさい。」
ちょっと照れながら笑うオリアス先生が可愛すぎて、自分がスッピンだとか、部屋着だとかそんなことどうでもいいくらい
完全に射抜かれた。
どうしよう、オリアス先生のこと好きかも。
◇◇◇◇◇◇◇
「ナマエ先生!」
『はい。』
「これ、前お願いしてた件なんですけど。」
『承知しました。今週末まででしたよね?お預かりします。』
「ありがとうございます。」
ふわりと笑うナマエ先生はとてもしっかりした女性だ。 仕事もできるし、いつもシワ1つない制服を着て、高いピンヒールを履いているのに足音一つ立てずきれいな姿勢で歩く。 綺麗な笑みを浮かべて、そつなく仕事をする様は惚れ惚れとする。 お酒の席では、少し柔らかく笑うそうで 俺はお酒が飲めないし、オフの時はあまり人付き合いも遠慮したいから出席しないのだけど、それを見たいがために出席するべきかなどと迷ってしまうほど彼女は魅力的だ。 寮で一緒に飲んだことがあるなどと宣う同僚によれば、ナチュラルメイクは少し可愛らしい雰囲気になるそうで、部屋着はふわっとしたワンピースだそうだ。くそ、羨ましい。
きっと彼女の隣にはスマートで紳士的な大人な男性が相応しいのだろう。
休みの日に彼女を見かけることは皆ほぼないみたいだし、きっと朝イチからとびきりお洒落してカフェ巡りとか言ってるんじゃないのかな?そしてディナーにいって、バーにでも行って帰ってくるんだよ。きっと。なんて皆で予想している。 オフの俺は部屋にひきこもって昼夜逆転のゲーム三昧。適当にお菓子を食べてまたゲームして、なんて日々を送る俺には不釣り合いだし。
だから付き合いたいとかまったくおもわない。 彼女の華やかさは俺には眩しすぎる。
休みの日はダラダラしたい、思いっきりゲームしたい。 恋愛とかまじ無理。
そう思っていた。
時刻は深夜3時。やってたゲームが一段落する。小腹が減ってきたからちょっとお菓子でもつまんでまたやろうかなー。なんて食堂にむかう。
あれ?電気ついてる、この時間なのに。もしかしてまた飲んだまま寝てるんじゃ……絡まらたらだるいな。 冷蔵庫を漁る小さい影が目に入る。
え、うそだろ。
「え、ナマエ先生?」
誰か嘘だと言ってくれ。
『……オリアス、先生?』
ゆっくりこちらを見てはナマエ先生が固まる。 か、かわいいっ!!す、スッピンだよな? いつもわりとバッチリメイクで綺麗めお姉さんなのに。え、ナマエ先生意外と童顔なんだ。かわいい。 髪の毛もいつもピシッと纏めてお団子にしてるのに、おろしてて、ちょっとクセがかった髪がふわふわしてる。前髪は上にくるんってでっかいピンでとめてて、なんかクる。 部屋着、ワンピースじゃないし。なんか、だぼっとしたTシャツきてる。何だあの変な柄。あ、あし、めっちゃ出てるし。やばい。あれ見ていいのか?いや、駄目だろ。 なんかモコモコ靴下履いてるし、
か、かわいいっ!!!ギャップ?これがギャップってやつなのか??
はっ、完全にトリップしてた 何か話さないと変だよな?
「ナマエ先生、あ、この時間にアイスですか?」
『あ、オリアス先生こそ、この時間にどうしたんですか?』
「あー、いえ、俺もお菓子を……。」
かわいい。悪戯がバレた子供みたいに目を反らしながら答えるナマエ先生がレアすぎる。 いつもヒールを履いているからか、今のナマエ先生は少し目線が低くて余計に可愛らしさが目立つ。
『夜ふかし仲間ですね。』
「そう、ですね。」
もう可愛すぎてわけがわからない。 変な沈黙が続く
『えっと………では、部屋に戻りますね?その、おやすみ、なさい?』
「はい。おやすみなさい。」
ちょっと照れたように「おやすみなさい。」というナマエ先生がかわいい。 完全無欠の女性だと思っていたのに、そんな彼女のイメージがガラガラと音を立てて崩れる。
かわいすぎる。ギャップ最高すぎる。
完全に射抜かれた。
俺、ナマエ先生のこと好きかもしれない。
似た者同士。
××××××××× (あとがき) あのギャップにやられました。まじで。びっくりしました。 キラキラ先生だとおもってたから。笑
← / →
|