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◇途中視点入れ替わります
◇微エロ







『お邪魔します。』

「はーい。どうぞどうぞー!」

ドアをあけて紫さんの後に続いてお家へと足を踏み入れる。「あ!!スリッパ買っとけばよかった。」あちゃーと言いながら大げさに顔に手を当てる紫さんが可愛らしくて緊張も少しとけた気がした。
「今度お揃いでスリッパかおーねー!」そう言いながらずんずんと玄関から進む

ガチャリと部屋の扉をあけ、部屋に入って荷物を置かせてもらう。お部屋、おしゃれ。いや、わかってたけど。そして絶妙なラインだ。あまりにお洒落すぎる部屋だと緊張しすぎて引くかも。と思っていたけど
実際は真っ白な部屋に黒とグレーの統一された家具。差し色にソファーに青のクッションとブランケットがかけられていて。家具は全体的に背の低い物で揃えられているからか、部屋に開放感が感じられた。
「仕事かえってきたらわりと寝るばっかりだから、狭くてごめんねぇ。」と言うから、即座にめちゃいいお部屋です!!!と力強く伝えると紫さんは笑ってくれた。

theひとり暮らし!といった間取りと裏腹に廊下に並んだキッチンは、コンロが3口もあったし、おもったより広めのスペースがあって、これなら料理もしやすそうだ。

『ゆっくりしたいので、先に下ごしらえ済ましちゃいますね!』

人の家のキッチンなので、最初は戸惑ったものの紫さんと一緒にやったからかすぐになれてちゃちゃっと下ごしらえも終えることができた。あとはもう揚げて、絡めてたべるだけだ!

「ナマエちゃん!ありがとう!こっち座ろ!」

『は、はい!!』

そわそわしすぎて、部屋に来てそうそうに下ごしらえを始めたので初めて一息つく。少し緊張しながら紫さんが座るソファーへとお邪魔する。

「晩御飯まで映画見よっかぁ。」

『はい!』













「なかなかよかったねぇ。」

『……はい。』

見終わって、変な空気にならないように。爽やかな感じになる映画をチョイスしたかいがあってなかなか後味のいい映画だったと思う。簡単にまとめるとサクセスストーリー的な話だった。
いやー、俺ナイスチョイス。と自画自賛していたけど、隣のナマエちゃんが俺とは反対側に視線を逸して地味に反応が薄い。

「え、もしかして泣いてる?」

『ちょっとうるっと来ただけです。』

大丈夫です!そういいながら、口をへの字にしてふーふー鼻で息をするナマエちゃんの目元はちょっと赤い。

「うん、俺も感動したよー!」

『わかってます。私めちゃくちゃ涙もろいんです。でも人前で泣くのは恥ずかしいので今落ち着かせますから。』

ナマエちゃんはビシッ!とこちらに右手のひらを突きつけて、近づかないようにポーズをとって牽制する。その手をぐいっと俺の右手で握りしめて、身体をナマエちゃんの方にむけてズイッと距離を詰める。やばい、俺絶対ニヤニヤしてるわ。

『なんですか。』

「我慢しなくていいじゃん。」

『いえ、泣いてません。大丈夫です。』

いつもと違って強気な態度のナマエちゃんが新鮮でちょっと面白い。そんなナマエちゃんにキスをしてちょっとからかってみる。

『っ!』

「落ち着いた?」

『お、ちつきません。』

真っ赤になって俯きながらそう呟くナマエちゃんが可愛らしい。

「じゃあ、もう一回ね。」












『んっ……ふぅ…。』


何回も角度を変えて行われるキスがきもちいい。もっと欲しくて、紫さんと繋がれた手にぎゅっと力を入れると、彼も応えるように握り返してくれた。

紫さんの舌が私の舌に絡まって、ビクッと身体が震える。熱に浮かされたようにキスに酔いしれる。

「ナマエちゃん。」

『…はい。』

「んー!すき。」

『私も好きです。』

キスでずるずると雪崩れこむように体勢がくずれてソファーで横になる。ぎゅーっと紫さんが私を後ろから抱きしめる。顔を見られないから、私も好きだと伝えやすくて。

『紫さん…だいすきです。』

お腹に回る紫さんの腕を撫でながら。ふわふわした気持ちでいっぱいになる。耳の後ろをちゅぷっと舌でなでられて燻っていた熱が一気にブワッと高まった。

『っん…ふぅ。』

耳から首筋にかけて、紫さんが顔を埋めてキスをする。回されていた手はお腹をするするとなでてきてほんの少しだけくすぐったい。その手に私のの手を重ねて

『む、むらさきさん、手くすぐったいです。』

「んー……。きもちよくない?」

『?』

手をどかすほどのくすぐったさでもなくて、それよりも首筋に触れる唇の方に意識が行ってしまう。

『…んっ。』

じわじわとお腹の奥が熱くなってきて、ぐっぐっと優しく揉むようにお腹を指で押されるたびに、アソコがぎゅってする。お腹の奥がじんじんする。

「きもちよくなってきた?」

『あっ…。』

甘い吐息とともに耳元で囁かれて
私のだらしなく開いた口から高い声が漏れた。
次の瞬間ぱっと、私から紫さんは離れるように手を放して

「ごめん!はやまった!晩御飯たべよっ!」

『ぇ…。』

一瞬何を言われてるかわからなかった。紫さんはニコッと笑って

『え。紫さん?』

また焦らされてるの?

「夜にいっぱいきもちよくなろう?」

そう言われて。はい。と私は答えるしかなかった。


















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