困惑していた

生まれた頃からよく知っている人物が

ソコにいた







「にいちゃん」

もう俺は口なんてきける状態じゃない
うんうん呻いているとシュンがゆっくりと顔を近づけてくる
薬のせいでロクな抵抗ができなくて困惑
掴まれた腕が、じりじりと触れ合う脚が、なぞられる頬が、重なった唇が、
熱くて熱くて、

「にいちゃ、んっ」

どうしてこんな事になったのだろうか
いつものように部活から帰ってきて、いつものようにシュンのおかえりを聞いて、いつものように自分の部屋に入ったはずだったのに

「にいちゃん、おれに、すきっていってくれる?」

好き
言ってやった
ぱっと輝くシュンの表情に俺は少しにやけた
これでよかったのだろうか
ああ、頭がくらくらする。
ただただ身体のあちこちが熱くて熱くて堪らない。どうしたものか。明日も朝から練習があるのに何も食べないまま眠るのはよくないんじゃないか。そういえば三橋に連絡しねえと。眠たい。気持ちいい。眠たい。熱い。気持ちい。きもちい。


















目覚めが悪くて、気持ち悪い
昨夜のことを何も思い出せなくて、気持ち悪い
何があったんだっけ、何でこんな格好なんだろう
思い返しても溜まる一方のもやもやとした感情に苛まれながら、ゆっくりと布団を這い出た。







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