ペダル | ナノ
箱学3年とファミレス

「うむ、ファミレスに来たのは良いが問題は日向ちゃんの座る場所だ」
「何でだヨ」
「え?勿論俺の隣だよな?」
「お前は喋んな!」
「今日はアップルパイの気分だ」
「アップルパイ美味しいもんね」
「2人してナァニ呑気なこと言ってんのォ!?つか福ちゃんいつもアップルパイだし」


ぎゃーぎゃーわーわー。
俺の隣だ!いや俺だろ?うるせェよ!!アップルパイ…
…じゃんけんぽ。


「何故、荒北と隼人の隣なのだ!納得いかん!」
「まーまー。じゃんけんで決まったことだし」
「あ…私はどこでも、」
「アァ?決まったんだからとっとと座れ!!」


間にスポンと。


「ごめんね。3人だと狭いでしょう?」
「ハ、ハァ?んなこと気にすんな!黙って座ってろ!」
「日向ちゃんとくっつけるし、何ならもっと寄る?靖友狭いって」
「言ってねーだろ!!オイ!もっと寄れよバァカ!!」
「えっ、は、はい!」
「俺の前で堂々とイチャつくな!!俺も入れたまえ!」
「アップルパイ1つお願いします」
「こっち来んなテメェ!!」
「あっ、じゃあ私はケーキセットを」
「荒北!顔をつねるでない!美形が傷つく!」
「んー、俺はチョコレートパフェとパンケーキと…」
「自分で美形とかうぜェ!俺ベプシと唐揚げ」
「うざいとは何だね!というか皆勝手に頼むな!隼人は食べ過ぎだ!スポーツマンならもっとバランスを考えてだね…」
「でも外食くらい好きな物食べようよ。ね?東堂くん」
「日向ちゃんが言うならそうしよう!」
「切り替え早いな」


「…うまい」
「福ちゃん本当それ好きだなァ」
「日向ちゃんの一口欲しいな」
「ん?どうぞ」
「あーんってして?」
「えっ…あ、あーん…」
「ん、美味しい。間接キスありがとう」
「えっ…!」
「何やってんだテメェは!」
「狡いぞ隼人!日向ちゃん俺も!」
「うぇ!?は、はい!」
「日向チャンも簡単にやんなヨ!」
「何だ、靖友も欲しかったのか?」
「ハ!?べ、別にそんなんじゃねェ!!」
「荒北も欲しいようだ。日向ちゃん、あげてくれんか?」
「だ、だから俺は…!」
「ふふ、どうぞ。荒北くん」
「!!!??」
「折角日向がくれたんだ。貰ってやれ」
「ふ、福ちゃんがそう言うなら…、いいか!?福ちゃんのためだからな!」
「うん、分かってるよ」


パクリ


「…ありがとヨ」
「いえいえ」
「日向ちゃんの減っちゃったし、俺のあげるよ」
「えっ、」
「日向ちゃん、俺のもやろう!」
「あっ…」
「俺のアップルパイもどうだ」
「で、でも福富くんにはあげてないのに…!」
「黙って食え!!」
「むぐっ!」



お皿は皆の食べ物でいっぱい。

愛されてるな、この重さ。

でも、こんなに食べられない…

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