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箱根学園と球技大会1



ここ、箱根学園はそろそろ球技大会の時期であった。自転車競技部はいつも通り部活をしながらだが、そんな行事の話をしていた。


「うむ、そろそろ球技大会の時期であるな!」
「そういえば今日ゼッケン貰ったな。あれ?いつだっけ?」
「明日だヨ。お前本当話聞いてねーなァ!」
「靖友は意外と真面目だな」
「るっせ!!意外ってどういう意味だゴラァ!」
「球技大会…、また俺のファンが増えてしまっていかんな」
「増えねーヨ」
「ふっ…嫉妬か荒北?まあ仕方ない。俺が美形だからな」
「ゼッケンは縫い付けるのか?」
「ああ、そうだぜ。寿一、俺のもやって」
「オイ福ちゃんに手間かけさせンな」
「だって出来ないし。泉田とか出来ないかな、縫い物」
「後輩使うなヨ」
「俺も縫い物はまるで出来ん!!」
「ただゼッケン付けるだけだろォ」
「俺もあまり得意ではない」
「福ちゃんも!?」
「あ、いるじゃん。縫い物出来る可愛い子が」
「おお!そうであった!」


ガチャリ、扉が開く。


「3年マネージャーの陰野日向入ります。2年生と1年生はメニューを終えました」
「ちょうどいいところに来てくれたな日向ちゃん!」
「えっ…東堂くん、何の話かな?」
「今ね球技大会の話しててさ、日向ちゃんって縫い物出来る?」
「う、うん。出来るけど…」
「オイお前ら!!」
「ゼッケンを付けてくれないだろうか?縫い物はどうも出来なくてな」
「お願いしてもいいかい?」
「何だ、ゼッケンの話だったんだぁ。勿論いいよ」
「助かるぞ!ありがたい!」
「何ならみんなの分もやっておくよ」
「しかし、それは悪い。日向も大変だろう?」
「このくらいなら大丈夫。それにすぐ終わるから。みんなの方が疲れてるんだし…、私に出来ることならやらせてほしい」
「む…、そうか。ならお願いしてもいいか?」
「うん。荒北くんも」
「…俺のもイイのォ?」
「いいのいいの」


皆のゼッケンを受けとり、部活も終わったことだしと早速だが縫い物を始める。それと同時に1年生や2年生が部室にぞろぞろ入ってくる。


「あ!日向さん俺のもやってやって!」
「コ、コラ真波!」
「あっ、いいよ黒田くん。真波くん、ここに置いといて」
「はーい!」
「みんなのもここに置いてくれればやるからね」
「えっ…!で、ですが日向さん…、」
「ふふ、いいのよ泉田くん。やっておくから」
「俺もお願いしてもいいですか〜?」
「葦木場まで、」
「泉田くんも黒田くんも遠慮しないで大丈夫だよ。縫い物は嫌いじゃないから」
「す、すみません…、じゃあお願いします」
「お願いします…、アブゥ…」
「はい。承りました」
「結局全員分やることになってしまったな日向ちゃん」
「元々はてめェらが言い出したのが悪いンだろォ!オイコラ後輩共、自分でやれ」
「え〜?荒北さんだってやってもらうんじゃないですか。荒北さんが自分でやれば解決だと思います」
「不思議チャンは黙れ」
「いたっ、」
「あっ、血出てる」
「ひゃん!?」
「ははは隼人!?何故指を舐めたのだ!抜け駆けだぞ!」
「舐めたら治るだろ?」
「バキュンポーズするでない!!」
「可愛い声出されちゃったから少し興奮したな」
「新開さん…、」
「うわわ、ユキちゃん真っ赤になって固まってる」
「黒田ァ!お前は何想像してンだボケナス!!」
「俺も舐めたいです。日向さん、次怪我したら俺に言ってくたね」
「えっと、」
「手当てする」
「福富くん…、ありがとう」
「いや、すまんな。こんなにやってもらって」
「気にしないで。私、球技大会見学だし、少しくらい関わりたいから」
「日向ちゃんは見学か!なら美形である俺を見ているといいぞ!」
「黙れ東堂!」
「あはは、ありがとう。みんな見に行くからね」




箱根学園球技大会開始。
…補足、彼女は見学。

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