イルミネーションが街をカラフルに彩るクリスマスがやって来た。人混みはすごいし、寒かいし正直今までの俺からすれば絶対に来ない場所や。俺インドアやし。





「うわぁ…!綺麗、」



でもイルミネーションを見て、彼女が嬉しそうに笑うから、寒さなんて無視してやって来てしまった。

周りはカップルで溢れていたが、この中の誰よりも幸せなのは俺やと思う。俺の勝手な考えかもしれへんけど、そんくらい幸せなんや。




「日向さん、前見んと危ないですよ」
「えっ、わわ…!」
「ほら危ないでしょ?」



すみませんと謝る日向さんの肩を抱き、危なっかしい彼女の手を握ってやる。たちまち真っ赤になる日向さんが可愛くてお持ち帰りしたい俺の欲求を胸に抑えた。


クリスマスをまさか大好きな彼女と、しかも夢にまで見たカップルという関係で迎えることが出来るなんて誰が思ったか。実は俺が一番驚いとる。



「わあ、財前くんの手冷たいね」
「あ、すんません。日向さんも冷えちゃいますよね」
「あ、あの、えっと、財前くんのこと私があっためる!だから…、手、離さないでほしい、な?」
「(襲いたい)」



うわぁ、ムラッとした。ちゅーかこんなこと日向さんに言ってもらえるとか幸せ。何か彼女って感じがして優越感。しかも上目遣いで頬赤くして言うもんだから俺の理性やば。今日、ちょっと化粧しとるから余計にいいわぁ。はあ、好き。




「クリスマスをね、」
「ん?」


チラチラと俺の方を見ながら、日向さんはポツリポツリと口を開く。手をもじもじ絡めながら、目を泳がせる様子は何か恥ずかしがっているように見えた。

白い吐息がふわりと溶ける。




「クリスマスを…、誰かとこんな風に過ごすなんて初めてだなぁって」
「…俺もッスわ」
「しかも、財前くんと過ごせるなんて夢みたい」



それ俺もッスわ。
あまりにも唐突に言われたものでそう返したいのに、嬉しすぎて言えへんかった。

同じ気持ちでおってくれとった。俺だけが舞い上がってると思っとった。アカン嬉しい。

やっと、俺のものになったんや。あんだけ競争率高くて、みんな無駄にイケメンだった中で俺を選んでくれたんや。求めてた場所を俺が手にいれた。それだけでも幸せやのに、こんな幸せばっかでええんか。



「俺も、」
「ん?」
「…俺も日向さんと過ごせるなんて夢みたいッス」



赤い顔を隠すためにマフラーに口元を埋める。日向さんは顔こそ赤かったものの、ごっつ可愛い笑顔だった。

手をぎゅっと握るとホカホカと彼女の体温が伝わる。何かこういうのええな。寒いのもこれなら我慢出来る。



「財前くんと来年も再来年もずっとずっと過ごせたらいいなぁ…、」
「…過ごせます。つか、離れる気ないッスから」
「…うん。私もだよ」



この手も頬も目も口も全部全部俺のや。触れていいんは俺だけや。誰にも渡しとうない。

頬に触れるとキラキラした大きな瞳が俺を写し出す。イルミネーションにも負けてない綺麗な瞳やった。少し染まる頬にピンク色の唇は俺にとって何より魅力的やった。




「大好きです、愛してます」




吸い付くように彼女の唇に1つキスをした。これは俺だけの特権。当たり前か。

人混みの中、イルミネーションの光によって逆光となる2つの影は重なり合い、そしてゆっくり離れていく。

日向さんは少し名残惜しそうに俺を見つめていた。とろんとしたえっろい目で。




「私も、だよ。光くん」




控えに、キスをしてくれた。









(…ふはっ…、最高のプレゼントですわ)







クリスマス特別企画
もし◯◯と付き合っていたら

まずは管理人が推している財前光くんでした!
もし、書いて〜〜っと思うキャラクターがいましたら気軽にどうぞ!
クリスマス終わってから書き始めるのが管理人のスタンスです。嘘です。ただ遅いだけです。

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