「……分かった、条件を飲むよ。だから解いてくれないか」
漸く求めていた言葉が聞けた、と……。
浮かべた笑みがそう言っているようだった。「今夜、部屋に鍵、掛けんなよ」と耳元で囁き、軽い足取りで側を離れてゆく。
「はいはい。こいつは、天才オレ様に任せなって。まあ、あんたらはそこで待機!」
突然のやる気に、他の二人は目を丸くしたが、そんな視線も気にならないらしい。 迅速に見事な手際で仕掛けを解き、安置されていた“魔法の鍵”を掲げて見せた。
「ふうむ、万物の瞳っうだけあるな」
「まあな。こんな時代遅れの魔力なんて、簡単なモンだしねぇ」
ニノは“もうここには用は無い”と、言わんばかりに脱出呪文リレミトを唱える。 一旦、女王ネフェルティツィに鍵の入手を報告。その後、アッサラームへ戻った。
……因みに、邸へ戻って直ぐ。
ガイラスが、ニノの失態をダルダスに告げた為、厳しい仕置きをされる事となる。 死が迫るほどの仕置き。……だが、上機嫌のニノは全く意に介さないのであった。 |