意志を確かめ合う三人。その後ろで、熱風が吹き荒れた。何事かと、見れば……。
「おおーーっ! 乾燥してっだけあって面白れぇくらい燃えてやがるぜっ」
……ニノがミイラ男に対し、情け容赦無い“ベギラマ”を放っているではないか。 仲間の会話が聞こえていなかったというより、寧ろ聞こえていたからこそだろう。
故に嫌がらせと見て、間違えない。
この男へ、繊細な感覚を求めること事態が、“馬の耳に念仏”というものである。
仲間達の軽蔑で満ちた視線。軽蔑というより、最早これは、嫌悪といってもいい。 そんな冷たい視線も、例によって例の如く、ニノの方は痛くも痒くもないようだ。
調子絶好調で破壊の限りを尽くすニノの顔には、満面の笑みが浮かべられていた。
「何故あのような真似が出来るのか、俺には理解しかねるな」
「ガイラス、あいつって最低だ!」
尤も過ぎる二人の抗議に、ガイラスは返す言葉もなく、頭を下げるしかなかった。 |