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ロマリアの死闘(16/31)
 
「格好つけやがってよ。弱音吐かない所がマジ可愛げねぇな」

 唾を吐き捨て、斜眼でリョウを睨んだ。

 ニノからすれば、決して挫くことの無いリョウの気性が面白くないようだが……。

「退いてな。こんな雑魚虫は、オレ一人で十分だ!」

 勢いよく言い放ち、杖を差し向ける。

「イオラーーーーッ!」

 爆発系は術者の“負”に依存する為、威力は、先の比では無い。その場にいる者は皆、揺れに堪えきれず地面へ手をつき、爆風が舞い上げる塵屑に、視界を奪われた。

「掃除終了っ! 後はテメェだけだぜ」

「さすが、ね」

 手駒の殲滅が悔しいのだろう。オキカメマラが顔を歪ませ、唇を噛み締めている。

「創り出された“化け物”の力は!」

 たじろいで見えたのも、一瞬。

 地面を這い、オキカメマラが狙うのは当然、ニノ。鋭い爪が振り下ろされた時だ。

「クソ野郎が……っ! 手前ぇなんざに、弟を“化け物”呼ばわりさせやしねぇ!」

 当たるか寸前。ガイラスはニノの前へ躍り出ると、斧の柄で爪を抑え捩じ上げた。
 


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