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ロマリアの死闘(13/31)
 
「あ、あははっ。やっぱり、僕の魔法なんかじゃ、ニノみたいに……消せなかった」

「ばーか。ありゃ、天才オレ様だから出来る芸当だっての!」

 いつもの軽口を叩き、親指を立てた。

 先程まで、オキカメマラの言葉に、顔を曇らせていたのが、もう態度も普段通り。

 ……切り替えの早さは、流石だ。

「先手必勝ってな。あのオカマ野郎は、長引かせるとヤベェからなっ!」

 頷いたライの顔を両手で包み込むや、唇についていた霜を指先で拭いてやる。それを舐め、ニノは蕩けそうな笑顔を見せた。

「なっ! ……す、スケベッ」

「はいはい、スケベで結構。つか、あんまり喚くと他に聞こえるぜ」

 グッと息を飲み、周りに目を走らせたが今のやり取りは見られてなかったようだ。

(全く、こいつは。見直して損した!)

 顔が赤いのは、怒りか、照れか。

 確信的にスケベ行為をかますニノから、プイッと、顔を背けると、剣を握り直す。
 湧いた感情を振り払い、体重の全てを乗せた剣先を、オキカメマラに突き立てた。
 


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