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ロマリアの死闘(4/31)
 
 ……そんな経緯で今に至る。

「つか、あんたは何時まで膨れてんだよ」

「まさか勇者を王にさせやしねぇよ。ちょっとばかり、からかっただけじゃねぇか」

 口々に言うガイラスとニノを一瞥して、唇をツンと尖らせ余所を向く。こういう時の子供っぽさには手を焼く、というもの。

 不意に、リョウがライの手を引いた。

「ライ、広場の方で何かやっているようだよ。見に行くだろ?」

「そんな気分じゃ……」

 そう、言いながらも目は広場へ向く。見れば軽業師が興行をしているではないか。
 サーカスだろうか、そんな愉快なモノを好奇心の強いライが見過ごせる筈は無い。

「この前は、町を巡れなかっただろ。今日のところは、ゆっくりと見物しような?」

「えっ、うん。でも、いいの?」

「構わないさ、たまの休みは必要だ」

 リョウの提案に、ライの頬が上気してゆく。先程までの怒りは忽ち収まり燥いでいる。扱い易いといおうか、かなり単純だ。

「早く早く、見に行こうよっ」

「ああ。君らも好きにしていいぞ」

 その言葉を聞いて、ガイラスが“待ってました”と、直ぐさま酒場へ足を向ける。

 ニノの方は、といえば……ライと腕を組むリョウを見るなり、舌打ち一つ。フードを目深に被ると、唐突に間を割ってきた。
 


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